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3 定期健康診断

眠いのを我慢して書いています。ストーブの前にはネコが寝ています。羨ましいです

 四月に入っても我が家のコタツはそのままだ。まだ夜は冷える。虎子も夜はコタツに入ってくる。


 今朝は少し暖かい、私は顔を洗いコタツに移動した。中には虎子がいた。

「暫く秘密基地は、このまま維持する。虎子軍曹、警戒を継続せよ」

「・・・」

 虎子は体を起こさずに、眠たそうな眼だけを私に向けた。春の陽気とともに規律が緩んでいるようだ。私は、士気を高めるため訓練を実施することにした。

 私は机の引き出しから猫じゃらしを出してきた。柔らかいプラスティックの棒の先にトンボのおもちゃが付いている物だ。

 虎子から少し離れた所で、猫じゃらしを小刻みに振ると、虎子は目を輝かせて、飛びついて来た。捕まる直前で、猫じゃらしを素早く移動させる。また虎子は飛びつく、また瞬時に移動させる。これを3分間ほどやると虎子はふーふーと息が荒くなる。

 頃合いかなと思い、最後は捕まらせてやる。

 ガブガブ。捕まったトンボのおもちゃは、羽をむしり取られ芋虫のようになる。虎子の目は、鋭いハンターの目を思わせる。いや精悍な兵士の目だ。いやいや猟奇的な殺人者の目だ。少し怖い。


 虎子が猫じゃらしの解体に夢中になっているころ、表からバイクの音がした。窓から外を覗くと郵便屋さんが、ポストに何かを入れている。

 私はサンダルをひっかけ、表に出る。ポストからハガキを取り出してみると、それは以前虎子を連れて行ったことのある犬猫病院からの予防接種の案内だった。

 なるほど、定期健康診断も兼ねているのか、これは必ず連れて行かなければなるまい。

 自衛隊でも隊員は毎年1回健康診断を受ける。その頃の事を思い出す。

 部下の中にメタポと診断された者がいれば、上官からお叱りを受ける。勤務成績に影響する程ではないが、肩身が狭いのは事実である。虎子は大丈夫だろうか?

 外から、窓を通して中を見ると虎子もこちらを見ている。表情はきょとんとしている。私はネコの表情が次第に分かるようになってきている。

 今、それはどうでもいい事だ。それよりも虎子の体型である。

 改めて虎子を見ると、少しポチャリしているような気がする。まだ夏用に毛替わりしていないので、そう見えるだけかもしれない。


 ハガキが届いて1週間後、私は虎子を犬猫病院に連れていく事にした。

 先日そのために、ペットショップでネコ用キャリーケースを買ってある。キャリーケースの入り口を開けると、虎子は喜んで入ってきた。

 部隊が移動するときにトラッに乗り込む、兵士さながらの機敏な動きである。

 とは言うものの、虎子はキャリーケースだけでなく、段ボールだろうが、鞄だろうが、時にはレジ袋にも喜んで入ってくる。ネコの習性なのだろう。良く解らない。

 色々と考えつつも、虎子が入ったキャリーケースを車に乗せ犬猫病院へ出発。

 病院の駐車場に着くと、何台かの自動車が駐車してある。その内の半数以上車内に人がいる。待合スペースに入りきらない客は車内で待機させられているようだ。

 取り敢えず私は受付をするためにキャリーケースを抱え院内に入る。予想した通り、この時期は予防接種にくる客が多く、車内で待機させられるようだ。私は虎子とともに車にもどり、携帯電話にお呼びがあるまで待機することになった。

 時間つぶしにネット小説を読もうとしていたとき、斜め前に駐車していた車のドアが開いた。中から中年の女性と大きな犬が出てきた。ドーベルマンと言う犬種だ。強く精悍な印象がある。

 しかし、その犬は飼い主が引っ張るロープに抵抗して前へ進もうとしない。怯えているようだ。

 中に入ると注射されることが分かっているのだ。時には警察犬として犯人に挑むドーベルマンでも注射は苦手なようだ。私も嫌いだ。これを好きだと思うのは、特殊な性癖の持ち主だろう。

 虎子はどうだろうと、キャリーケースの中を覘くと、平気な顔をしている。それはそうだ。まだ虎子は注射と言う物を経験したことがない。大変なのは来年からだろう。

 そうこうしていると、携帯電話が鳴る。順番が来たようだ。

 キャリーケースを抱えて待合室の椅子に座る。虎子は今になって不安な顔をしている。

「虎子ちゃん、一番診療室へどうぞ」

 最初、誰が呼ばれたのか解らなかった。2度同じ様に呼ばれてやっと気が付いた。私が呼ばれたのだ。この犬猫病院は、飼い主の名前でなくペットの名前を呼ぶのか。それが普通なのか?まあ人間の病院はそれが普通だからな。

 診療室に入ると先生と助手?看護師さん?多分助手が待っていた。

 キャリーケースから虎子を取り出し、台の上に載せる。随分緊張している。顔色は真っ青。毛が生えているので本当の所は解らない。

 そして体重測定。

「5kgです」

 助手が先生に報告する。そして先生が私に言った。

「肥満ですね」

「・・・・」

 私は何と答えたら良いのか解らない。少し覚悟はしていたが、何故こうなった。

「食事の管理が必要です。与え過ぎないようにしてください」

 虎子は俊敏だ。木登りも得意だし、鳥やネズミも狩って来る。

いや待てよ。最後にネズミを捕まえたのは2週間も前だ。あれから食っては寝の毎日だった。でも猫じゃらしで訓練は続けている。


「田中さん?」

 気が付くと先生が私を見ていた。

「あっ、失礼しました。少し考え事をしていました。解りました。食事に気を配ります」

 食事の管理について少し説明を受けた後、3種混合の予防接種に移った。

「虎子ちゃんは、大人しくて良い子ですね」

 台の上で緊張して動かない虎子に、助手が大き目のタオルを掛けて優しく話しかけている。

 先生はその間に虎子の後ろ脚に注射する。

「にゃ~」

 小さく頼りなげな声を出した。

「これで終わりです。様子がおかしい時は直ぐに連絡してください」

 あっという間に終わった。

「ありがとうございました」

 料金を支払い、私と虎子は車に戻った。

 虎子の緊張は解けた。車内は私と虎子以外は誰もいない。私も緊張から解放された。

 やれやれ、ここでも部下のメタボでお叱りを受けるとは、でも虎子の健康管理には気を付けよう。


 その後、虎子の餌は普通食から肥満食に変わった。

 虎子は相変わらず「ニャゴニャゴ(うまい、うまい)」と食べている。味は変わらないと言う事か。興味は持ったが、私自らが食べ比べる勇気はなかった。

 本当にこれで適正な体重に戻るのだろうか。

 変わった事はもう一件、虎子はキャリヤーケースには近寄らなくなった。


朝書き始めて、今は昼です。昨日買った巻き寿司を食べながら、後書きを書いています。直ぐに投稿すれば、誤字だらけなので、一晩おいて明日の朝読み直してから投稿します。

それでも誤字はなくならないのですが。と言う事で投稿は明日の私にお任せします。

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