42 お城へ
この42話が抜けたまま、物語が進んでしまいました。ミスです。挿入しました、申し訳ございません。
歪んだ景色が元に戻ったときには、全く見覚えのない場所にいた。
きらびやかな装飾に、ひと目でわかる高そうなツボや芸術品。普通の民家じゃ絶対にない。どうやらお城に着いたようだ。俺はあこがれのお城に来られて、きっと挙動不審になっているだろう。
「まず服装を整えようか。ぼくについてきて」
アッシュの後ろをぞろぞろとついていった。俺とルビーは珍しいものばかりで、キョロキョロとお城の中のものを見て歩いていた。レミさんは慣れているのか真っすぐ見て歩いていた。
しばらく長い回廊を歩いて建物の中へ入っていくと、アッシュの姿を見て壁際によってお辞儀するメイドさんや、お城で働いている人達が頭を下げていた。建物の中の一室にアッシュが入っていった。
「アッシュ様、お帰りなさいませ」
「ただいま帰りました。メイド長」
キチンとした服装、厳しい顔つき、眼鏡をかけたメイド長と呼ばれた人が、俺達をチラッと見た。他にも何人かのメイドさんが頭を下げていた。
「アッシュ様、この方達は?」
話しながらアッシュの上着を受け取って、他のメイドに渡していた。
「友人たちだよ。これから陛下に謁見するから、彼らの支度をしてくれないか?」
「かしこまりました」
メイド長は部屋の中にいたメイドたちへ、それぞれ指示をした。
「あら! レミナーシャさまではございませんか?」
メイド長さんはレミさんを見つけて、声をかけた。レミさん、本名がレミナーシャさんというのか?
「ええ。今はわけあって、レミ……という名で任務をしています」
ニコッと微笑んでレミさんはメイド長と話をした。
「それは大変な任務で御座いますね。どうぞお体にお気を付け下さいませ」
メイド長はレミさんに頭を下げた。知り合いだったのか。
「私は自分の部屋へ戻って支度をしますので、失礼するわ。レン様、アッシュ様。ルビー、可愛くしてもらってね」
では……、とレミさんは部屋から出ていった。勝手を知っているお城という感じだった。
「さて……。そちらの可愛いお嬢様の、お支度をしましょうか。お名前はなんておっしゃるのかしら?」
メイド長はルビーに近寄って、上から下までジッと見た。
『ルビーです』
ルビーは名前を名乗ると、スッと上手にカーテシーをした。
「まあ! なんて可愛らしい! お上手ですよ!」
メイド長を始め、メイドたちがルビーを褒めた。
「これは腕がなるわ! 私に二人ほどついてきてちょうだい」
「「はい!」」
メイド長はルビーとメイド二人を連れて、どこかへ行ってしまった。ルビーを可愛くしてくれるならいいや。
「アッシュ様と、ええっと……お名前をお伺いしても?」
肩ぐらいの長さの髪型のメイドさんが、俺に名前を聞いてきた。名前を言わないと呼べないからな。
「レンです」
俺が名乗ると、メイドさんは微笑んでくれた。お城のメイドさん、みんな美人ばかりだなと思った。
「レン様、ですね。こちらへどうぞ」
可愛いメイドさんに連れてこられた場所は、お風呂だった。広い温泉旅館にあるような大浴場みたいだった。
「お風呂だ! えっ、ここは王様が入るようなところじゃないですか!?」
俺は連れてきてくれたメイドさんに聞いた。
メイドさんはクスッと笑って 「いいえ、ごゆっくりどうぞ」と言った。
久しぶりの広いお風呂に俺は、テンションが上がった! 泳ぐことなんてことはしないけれど、のんびりと肩までお湯に浸かった。
「あ――――! 気持ちいい!」
めちゃ、足と手と体全体を伸ばした。やっぱりお風呂に浸かるのはいい。何かのハーブや柑橘系の果物が浮かんでいるけど、良い香りだ。
謁見……だから、王様に会うにはキチンとした服装をしないと不敬になるからな――。アッシュのおかげでお城に来られたし、お姫様に会えるかな? なんて呑気なことを考えていた。
風呂から出てからメイドさんに服を着せられて、髪の毛を整えられたり、メイド長さんに厳しく身だしなみチェックされたりと男の俺でも時間がかかった。ルビーやレミさんは着飾るのに、もっと時間がかかるだろう。
「お待ちになっている間に、お茶をどうぞ」
「ありがとうございます」
メイドさんは気を利かせてくれて、お茶とお茶菓子と簡単なお城の観光案内パンフレットみたいのをテーブルに置いてくれた。
豪華な客室のふかふかのソファーに座って、お茶を飲みながらパンフレットをパラパラとめくっていた。パンフレットにはこの国の名前、王族の絵姿など載っていた。お城のお菓子は美味しくて、たくさん食べてしまった。メイドさんは俺が子供なので、話しかけてくれて色々聞いたら優しく教えてくれた。
どのくらい時間が経ったのかわからないけど、俺はメイドさんに囲まれて快適に過ごしていた。子供の姿で良かった!
カチャ……。部屋の扉が開いて、メイド長が入ってきた。
「お待たせしました、レン様。お支度が終わりました」
どうぞ、とメイド長に促されて入って来たのはルビーだった。
「わあ! 可愛いよ! ルビー!」
『似合うかな……?』
淡いピンクの生地に、リボンやレースがたくさんついた可愛いドレスを身につけたルビーが立っていた。靴やアクセサリーなどは赤いもので合わせられて、ルビーの赤い髪の毛と瞳に合っていた。
「うんうん! とっても可愛いよ!」
髪の毛も緩く巻いて飾りもつけて、可愛くしてくれたみたいだ。メイドさん達も、俺の「可愛い」に何回も頷いていた。




