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ゲームの世界(異世界)へ、モブ(子供キャラ)として転移してしまった  作者: 厘/りん


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32 【魔道具士《まどうぐし》】の工房                 


 

  ペンチやドライバー、スパナやレンチ、ニッパー等々、壁一面に掛けてあった。

 大きな作業台が壁際にあって、作りかけの何かの道具がたくさん置いてある。材料がたくさんあって、作業しやすそうだ。男の子だったら誰でも好きな部屋だろう。


 「適当な場所に座って」

 「はい」

 作業台は壁際に並んでいる。きちんと種類別にキチンと道具と材料が整理されていて、どこに座っても移動しないで仕事ができそうだ。


 「何か作ってみてごらん」

 ロイさんが、座っている俺の横に立って話しかけてきた。何か作るって……いきなり作れるものなの? 動けずにいたら、ロイさんが胡散臭い笑顔を浮かべた。

 「自分が今、欲しいものを()()()ごらん」

 

  自分の欲しいものって、何かあったかな? ……俺はロイさんに言われて、考えてみた。こっちに来てからは不自由な事ばかりで、必死だった。拾ったものや落ちていたもの、手に入れたものでお金に換えて食事や宿屋に泊ったり出来た。

 今は少しこちらの世界に慣れてきて、知り合いや仲間もできたから少し余裕ができてきた。

 

 そうだな……。時間が知りたいし、地図も欲しいかな。腕時計……と地図。転移前の世界にあった、なんとかウオッチみたいなのが欲しいかな……。

 ピカッ! と目の前が光って、ドライバーなどの道具が空中に浮かんだ。

 「ええ!?」

 工具と、金属の精密な材料が、整理されている工具箱の引き出しから飛び出して俺の目の前にそろった。赤黒い石も一緒に浮かんでいた。


  あれ? これって【薬草 配合】のときに、念じるとポーションなどができるのと同じかな? だったら……。

 時計と地図が合体した『腕時計』が欲しい! ……と、願った!

 

  カッ!! と部屋いっぱいに光が輝いた!

 「ああっ!?」

 「うっ……! まぶしい……」


  眩しくて、まぶたを閉じていた。

 そおっ……と開けてみると、空中に腕時計が浮かんでいた。これ……もしかして、俺が作った? そっと手を伸ばして手に取ると、何かの金属でできていたけど、思っていたより軽かった。

 「すばらしい! レン君! 君は才能ある【魔道具士まどうぐし】だ!」

 横を向くとロイさんが、ウンウンと頷いて俺を褒めていた。

 「ありがとうございます……」


 出来た腕時計を眺めた。……すごい機能が付いていそうだ。転移前の世界の、腕時計と地図(ナビ)などの知識があるから想像できたのだろう。――俺はあることに気が付いて、冷汗がでた。

 

  「作った()()()は、もらっていいですか? 材料費など払いますので、記念に持って帰りたいです!」

 俺は作ったものをすぐに腕へつけた。

 「ああ。お金はいいよ! 始めて作った記念の腕時計、だものね」


  「ありがとうございます!」

 作った腕時計をシャツの袖に隠した。顔が引きつっていないといいけれど。

 「……腕が上がれば材料は、自然に集まって作れるようになるよ」

 ロイさんはウインクした。……この人は女性にモテるのだろうなと思った。ん? 自然に集まって作れるようになる?


 「たくさん作ってごらん。経験を積めば、もっとすごいモノが作れるようになる」

 もっとすごいモノって何だろう? 作った腕時計をシャツの上から撫でた。


 「ところでレン君。私のこの工房で働いてみない? かなりの腕前みたいだから弟子にしたいなあ……!」

 ニッコリと笑ったロイさん。好意的だけど、俺の【魔道具士まどうぐし】として作った道具は絶対に公開させない方がいい。

「すみませんが、旅をしていて……。ありがたいのですが、ここでは働けません」

 手に汗をかきながらロイさんに伝えた。気を悪くしないといいけれど……。


 「そうか、残念だね」

 両手の手のひらを上にあげて口を閉じた。

 「色々教えて下さってありがとう御座います! これはほんの少しですけどお礼です」

 俺は袋から赤黒い石と、ルビーの宝石を作業台の上に置いた。ルビーの宝石は小さいけれど価値があるかな?


 ロイさんは俺の置いたものを見て、真顔になっていた。どうしたのだろう? あまり価値のないものだったかな。

 「あの……「これは受け取れないよ。G(ゴールド)に変えてあげる」」

 そう言い、この工房のドアまで歩いて行った。俺も椅子から立ち上がってロイさんの後をついていった。


  サンルームを通り抜けて、【魔道具屋】の店内へ戻ってきた。

 「はい。全部で五万Gね。大金だから、ギルド経由でレン君の個人金庫へ送っておくよ。【冒険者の(あかし)】をこの水晶へつけて」

 「え! 五万G? 間違いじゃないですか?」

 大金に俺は間違いかなと耳を疑った。


  「ルビーの宝石だから、そのくらいの値段になる。赤の塔に行ったのかい?」

 えっ……。何で赤の塔に行ったのが、わかったのだろう? まさか……。

 「質のいいルビーの宝石は、赤の塔で手に入れられるんだ。ただし、命懸けだけどね」

 ロイさんの話にだらだらと汗をかいた。赤の塔で手に入れられる……? ルビーの宝石は、宝石店とかで売ってないのかな……。


  「君が何者か、ますます興味がわいた」

 ニコッと笑って俺を見た。ビクッと本能的に震えた。なんだか厄介な人に、気に入られたかもしれない。

 

 

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