24 宿屋で【魔力のツボ】を使って配合
「レミさん、大丈夫ですか?」
宿屋で二部屋をお願いして、レミさんの腕を俺の肩に乗せて二階の部屋へ移動した。歩くことはできたので手伝ってあげた。
「すみません……。休めば大丈夫だと思います」
レミさんを部屋まで連れていって、ベッドへ座ってもらった。
「お水をもらってきます」
とにかく休んでもらった方がいいな。俺は宿屋の人にお水をもらいにいった。
二階建ての立派な宿屋。階段を降りてカウンターへ向かうと、入り口に冒険者らしい人達がいた。着いたばかりなのか賑やかだった。
「すみません。お水をいただけますか?」
カウンターで、何か書いていた宿屋の人が顔を上げた。
「あ――。お連れの方、具合が悪そうでしたね。今、持ってきますね」
宿屋の人は、水差しとコップを持ってきてくれた。あとから俺の分の水を持ってきてくれた。
コンコン! と、扉を叩いて名前を言った。
「レンです。入っても大丈夫ですか?」
「はい」
カチャ……とカギを開ける音がして扉が開いた。
「すみません。だいぶ良くなってきました」
扉が開けられるとレミさんが顔を出した。さっきより顔色は良くなったみたいだ。もう大丈夫かな?
「これ、お水です。少し休んで、大丈夫でしたら食事に行きましょうか」
夕方くらいになっているはずだ。この宿屋で、食事ができるみたいなのでよかった。
「そうですね。あと二時間後……くらいで、どうでしょうか?」
「はい。無理をしないでくださいね。ゆっくり休んでください」
レミさんは、俺に「優しい……!」と言って、ギューっと俺の頭を腕で包んだ。
「レ、レミさん!?」
そんなにたいしたことをしていないのに。俺は動けず、固まっていた。う――ん……。柔らかいものが頭に当たっている。
「ああ! ごめんなさい、つい……」
レミさんは、パッ! と腕を離して俺に言った。子供だから警戒なく頭を包んだのだろうな……。
「じ、じゃあ、またあとで。自分の部屋へいきますね!」
ぎこちなく俺は、自分の部屋へ向かった。
宿屋の俺の部屋は、レミさんの部屋と同じ作りでベッドと机と椅子。隣に洗面台とお風呂があった。標準的な宿屋の部屋だ。この世界の水道や下水道のしくみは、どうなっているかまではわからないけどお風呂があるのは嬉しい。
さっそく汗を流そうと思う。
「あっ!? ポケットに入ったままの小鳥は大丈夫だろうか!」
さっきレミさんと密着したから心配だ。俺はそっとポケットを覗いた……。
ルビーはポケットの中で、丸まって眠っているようだ。……無事で良かった。
俺は両手でルビーを包むように、ポケットから持ち上げてベッドの枕元辺りにそっと乗せた。
「何かで、ルビー専用のベッドを作ってあげないといけないな」
俺はマジックバッグに、何かいいものがないか探した。小鳥が居心地いいものは……。あれ? でも大きくなったし、小鳥の大きさのままで大丈夫なのかな。急に大きくならないよね?
「う――ん。ま、大丈夫だろう」
枕元を見るとルビーは静かに眠っていた。
マジックバッグに赤いバンダナがあったので、それの端と端を結んで巣のように真ん中へ入れるようにした。
「簡単だけど、ないよりはいいか」
その中へルビーを入れてあげた。首を動かしたけれど疲れているのか起きなかった。このまま休ませてあげよう。俺は汗を流してこようと、お風呂へ入りにいった。
「明日まで時間があるから、何か作ろうかな?」
戦ったり、階段を登ったりしたからお風呂に入って体をきれいにしてきた。夕食まで時間があるので【魔力のツボ】を使ってポーションを作ってみよう。
マジックバッグの中から取り出して、薬草やハーブその他を机に並べた。
「やってみたいことがあったんだよね……」
薬草と木の実を【魔力のツボ】に入れて、念じる……。ポン! 瓶に入ったポーションが出来た!
ステータス画面が目の前に出てきて、画面に『回復系ポーション』と書いてあった。
「回復系のポーションが出来た!」
なるほど? う――ん。じゃあ今度は、薬草と花でポーションを作ってみる。
今度は薬草と花を【魔力のツボ】に入れる。フタをして念じてみる。……ポン!
「出来た……けど」
ステータス画面を見ると、今度は『回復系ポーション』だった。
俺は忘れないようにメモを取った。
「HP回復ポーションとMP回復ポーションか……」
それぞれできたけど、これからだ。
【魔力のツボ】に回復系ポーションとリラックス効果のあるハーブを入れてみた。そしてフタをして念じる……。
ポン! できた。
それをステータス画面で見てみると、回復系に+リラックス効果の【付加価値】がついた!
「おお――! 思った通りかも!?」
これは色々試してみたい! +の効果の【付加価値】がつくならば、どんどん付けてみたい!
俺は時間まで、【魔力のツボ】に薬草やハーブその他のもので色々試してみた。
あっという間に夕食の時間になった。コン! コン! と扉を叩く音で気が付いた。
「はい!」
「そろそろ、夕食へ行きませんか?」
レミさんが誘いに来てくれた。俺は急いで片付けて扉を開けた。
俺はたくさんのポーションを作ってしまったようだ。




