表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ゲームの世界(異世界)へ、モブ(子供キャラ)として転移してしまった  作者: 厘/りん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/60

13 俺の役割


 

  『()()()()()()()()()……』

 お姉さんが呟いた言葉。


 「それは、どういう意味……ですか?」

 お姉さんはハッ! と気が付いて俺を見た。

 「ぎ……」

 ぎ……。と言ったまま黙ってしまった。

 「ぎ?」

 俺は首を傾げた。


 「ギルドマスター(ギルマス)――! 来てください――――っ!」

 「ひっ!」

 急にお姉さんが、大声を出して驚いた! ギルマス?


 ドガ、ドガ! ドガ、ドガ! と、うるさく階段を降りて来る音がした。

 「何ごとだ! うるさいぞ、ミミリー!」

 人相の悪い凶悪犯みたいな、体中傷だらけの大柄の男性が階段から降りてこちらへやってきた。

 「す、すみません! あの、この子……。この方が……!」

 ミミリーと呼ばれたお姉さんは、かなり動揺していた。どうしたのだろう?


 「なんだ? 落ち着いて話せ」

 大柄の男性は、どこからか水の入ったコップを持ってきてミミリーさんに「飲め」と渡した。

 「ありがとう御座います……」

 コクコク……と水を飲んだ。ミミリーさんは、ふうーっと深呼吸をした。ようやく落ち着いたようだ。


 「……で? 何があった?」

 ジロリ、と俺を睨んだ。「俺はなにもしてないですよ!」と両手を振って否定した。


 「【冒険者鑑定の証明書】を見てください。これは……」

 ミミリーさんは、俺が手のひらを乗せて鑑定した紙を指さした。

 「ん? これがどうした……はっ!?」


 大柄の男性は、ガバッ! と【冒険者鑑定の証明書】というものを手に取った。

 「これは……!?」

 大柄の男性は【冒険者鑑定の証明書】を持ったまま、ミミリーさんと顔を合わせた。


 「あの……、いったい……?」

 俺は立ちつくしたまま、二人におそるおそる聞いた。


 「ちょっと、こちらへ。事務所へ来てください」

 「はい!?」

 怖い人の事務所に連れていかれる!? 俺は警戒した。

 「何もしないから、来てくれませんか……」

 大柄の男性は顔を手で覆った。

 「あ! あの! ギルマス、顔は怖いけれど大丈夫ですから! 悪いやつには容赦ないですけど!」

 「「……」」


 「あ、しまった」

 ミミリーさんは口を閉じた。


 「行きます。案内してください」

 「おう!」

 見かけは子供だけど、中身は大人だ。怖くなんかないぞ……。いや、目つきが悪い人ににらまれちゃ怖い。


 階段を上がって突き当りの部屋へ案内された。

 「座れ」

 人差し指でソファーを指して、俺はおとなしく座った。


 「お茶をどうぞ」

 ミミリーさんが、ギルマスと俺にお茶を持ってきてくれた。

 「失礼します」

 ああっ、行ってしまうのか……。ギルマスと二人は怖いな。


 「飲め」

 「はい」

 怖いなぁ……。俺は熱いお茶を冷ましながら飲んだ。紅茶だった。


 「ところで。先ほどの【冒険者鑑定の証明書】がこれなのだが……」

 長いテーブルの上に【冒険者鑑定の証明書】を置いて見せた。俺は近づいて見てみた。


  ☆冒険者 レン☆

 ●能力・HP&MP 測定不能。

 ●ラッキー値 A↑(ポイントを貯めると上昇)

 ●七色の光の持ち主

 ◎モブ レアキャラ 


 「 ☆冒険者 レン☆ ●能力・HP&MP 測定不能。●ラッキー値 A↑(ポイントを貯めると上昇)●七色の光の持ち主……と()()()があった」

 ギルマスは【冒険者鑑定の証明書】を読んだ。

 

 「……あれ?」

 下の二重丸は読んでない。

 「ここの二重丸は、読まないのですか?」

 俺は二重丸のところを指さした。

 「二重丸? そんなものは、ないが?」

 ギルマスは顔を上げて俺を不思議そうに見た。えっ……? 俺の目がおかしいのか? 何回か瞬きして見ても二重丸は見えている。しかも、【◎モブ レアキャラ】だった。


 モブ&レアキャラって……? この部分はギルマスに見えてないらしい。どうしてだろう?


 「……とにかく、このことは極秘情報だ。鑑定に立ち会ったミミリー、ギルドマスターの俺、そしてこの国の()()()のみに伝えられる」

 この国の()()()のみに、伝えられる?

 「ええっ!?」

 「レン。君も口外しないよう気をつけろ。極秘情報扱いになる」


 のんびりスローライフじゃなかったのか? しかもモブ&レアキャラ? 


 「 『()()()()()()()()()』なのだが……」

 ギルマスは腕組みして険しい顔をした。怖い顔なのに、さらに眉間にシワが!

 

『レンは七つある、(とう)へ行くことになるだろう。こちらで必要な物は準備する。気をつけて行ってくれ』

 

 出た! ゲームで、有無を言わせずクエストやミッションが始まるやつ――――! 七つの塔って?


 「そこに、何があるのですか?」

 『……行けばわかる』


 「……わかりました」

 たぶん聞いても答えてはくれないだろう。行くしかない。行けばわかる、らしい。

『ただし、一人では行かせない。護衛(ごえい)を呼ぶ』

 ギルマスはそう言って、ニヤリと笑った。


『二日後、ギルドに来い。護衛と共に出発だ』

 ギルマスは俺の返事を聞かずに、話を終わらせた。これはキャンセルをできない感じ? 

『レン、よろしく頼む』

『こちらこそよろしくお願いします!』

 ギャ――! テンプレセリフ! 思ってもいないことを言った! 逃げ出そうかと思ったのに!


『では、二日後。お待ちしております』

『ありがとうございました!』

 ギルマスとミミリーさんに見送られて、ギルドから外へ出た。……疲れた。


 【()()()()()()()()()】の説明がなかったけれど……。なんだか大変なことになった。


 とりあえず俺は、二日後までに薬や他の薬などを作って準備をしようと思った。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ