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ゲームの世界(異世界)へ、モブ(子供キャラ)として転移してしまった  作者: 厘/りん


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10/60

10 あれ? お前は森でケガをしていた……


 

  隣町へ歩いて移動中、広場を見つけてそこで俺はアッシュに弓を教えてもらった。

 「レン、姿勢を正して! 曲がっているよ!」

 アッシュは厳しく俺に弓の使い方を教えてくれた。武器屋で買った弓は、俺のサイズに合っていてやりやすかった。


 (まと)を作ってくれて大きな木に吊るしてくれた。まず、的に当たるようにたくさん弓を引いて練習をした。手にマメができるくらい弓を引いた。

 「まだまだ!」

 アッシュに教えてもらって何回、的を撃っただろうか? 段々と的に当たるようになった。

 「いいよ! その調子!」

 「はい!」

 コツを掴んだようで的の真ん中に、当たるようになった。

 

 「そこまで! 休憩しよう」

 「はい」

 アッシュの厳しい指導により俺は弓の腕が、上がったような気がした。でもゲームであるはずの、レベルアップの音楽が全くない。なんだか寂しい。

 「レン、上手くなったよ! 短期間ですごい!」

 俺はアッシュに褒められた。頑張ったから良かった。音楽が無くてもいいやと思った。

 

 広場には旅の誰でもが使える、きれいな水の飲める井戸があった。俺は井戸から水を桶に汲んで革袋に入れた。そして手ですくって飲んだ。運動した後は喉が渇くから、水が美味しかった。


 「もう休めたかい? そろそろ行こうか」

 「はい」

 弓の練習をしたけれどさすが子供の体。全然疲れてない。元気だ。俺は腕をまわして調子を見てみたが、大丈夫だった。俺は矢筒と弓矢を持って出発した。


 アッシュは鉄の剣を手に入れていた。なかなか強そうな武器だ。アッシュが木の剣から鉄の剣に変えたということは魔物が前の町より

 魔物が強くなっていくということだ。気を引き締めないと!


 一本道の両側に森がある。旅人や冒険者のための道だ。町まではまだ遠いらしい。

 「この道は魔物が出る。旅人は腕の立つ冒険者などを雇って通る。気をつけていこう」

 アッシュは俺に気をつけるように注意した。


 

 ガサッ! 右前方から狼の魔物があらわれた!

 「レン! 気をつけろ!」

 「はい!」


 俺は狼の魔物から後ろへ下がって距離をとった。アッシュは鉄の剣で、狼の魔物の攻撃を守った。ガキン! と鉄の剣に魔物の牙が、当たった音が聞こえてゾッとした。あの鋭い牙にやられたら、ひどい傷になる。

 震える手をぎゅっと握ってから離して、弓を構えた。

 「落ち着け……。ちゃんと狼の魔物を狙って……」


 屋の先端を狼の魔物に確実に当てないと、いけない。戦っているアッシュに当ててはダメだ。

 ゴクリと喉を鳴らして、弓に矢をつがえて放った。


 シュン……! と矢が飛んでいって、狼の魔物の胴に当たった。

『ギャン!』と鳴いて倒れたところを、アッシュがとどめを刺した。よかった……! 当たった!


 「レン、ありがとう!」

 「いいえ! あ、もう一匹! 後ろにいます!」

 アッシュの後ろからまた狼の魔物が襲って来た。振り向きながら、その回転を利用してアッシュは鉄の剣で狼の魔物を倒した。

 「かっこいい……!」

 思わず声に出た。アッシュはますます強くなっているようだ。


 「ふう……」

 アッシュは鉄の剣の血を払って腰に下げた鞘へしまった。狼の魔物は黒い煙になって消えた。

 「ほら。一つはレンの物だよ」

 そう言ってアッシュは、赤黒い石を渡してきた。そうだった。魔物から赤黒い石が拾える。これも良い値段になるはず。

 「ありがとう」


 「弓の練習の成果だな。良かった。レンがいて」

 「へへっ……!」

 アッシュに言われて、弓の練習をして良かったと思った。


 先に進もうとしたら、バサバサッ……! という羽の音が右肩の辺りに聞こえた。

 「ん!? なに……?」

 「ピピッ!」


 どうやら右肩へ小鳥がとまったようだ。

 『あれ? お前は森でケガをしていた……、小鳥?』

 またテンプレのセリフだ。それはいいとして……。白い小鳥。ピピッ! という鳴き声。そして人間に警戒心もなく、肩にとまった鳥。

 「ピッ!」

 肩の上でパタパタと、羽を動かして見せているようだ。

 

 「もしかして、ケガが治ったことを教えに来たんじゃないか? レン」

 「えっ?」

 俺は人差し指を自分の肩へ近づけると、小鳥はその人差し指にちょこんと乗った。

 「ピピッ!」

 「えっ……、可愛い!」


 反対側の人差し指で小鳥をそっと撫でると、頭をスリスリとすり寄せてきた。 か わ い い !

 「ピピピピ……」

 鳴き声も可愛いな。

 「良かったな? けがが治って。そうだ、いいものあげる」

 俺はカバンの中から、鳥が大好きな拾った草を口元へ近づけた。


 「ピッ!」

 羽を広げて喜んでいるようだ。「ピピッ!」と鳴いて、くちばしで草を摘まんだ。

 「気をつけるんだよ。もうケガをしないでね」

 俺が小鳥に言うと、チラッと俺の方を見て羽ばたいて行ってしまった。


 「……あの鳥は、なかなか手懐けられないと言われている、珍しい鳥なんだよ。すごいね、レン」

 俺と小鳥の触れ合いを見て感心していた。そんなに珍しい鳥なのか。

 「そうなんだ。ケガが治って良かった」

 

 またあの小鳥と会いたいな……と思いながら、次の町を目指して歩いていった。


 「きっと、また会えると思うよ」

 アッシュは意味深なことを俺に言っていた。

 

 


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