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史上最強勇者、家出する  作者: 陽山純樹
第二章

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82/200

役割分担

 将軍達が去った後、ユーク達は調査隊がやってくるまで大森林や町の周辺を魔法などで調べ始めた。


「さすがに、調査隊に頼りっきりというのは、ね」


 指示を出したのはシアラ。それに応じてユークとアンジェも動くことに。ただ彼女は、


「それとユーク達に頼り切りというわけでもない。こちらは配下を使って色々と動くわ」


 よってユーク達とシアラで別々に調査を進めることに。分かれた理由は共同でやるよりも範囲を広げられるから。

 無論、協力した方が調査の精度は上がるが――シアラには何か考えがある様子だった。


 そうしてユーク達の調査が始まる――ユークが町の郊外で索敵魔法を使用した際、アンジェが一つ疑問を呈した。


「……シアラさんは何かしら考えがある様子でしたね。ユーク様はどうお考えですか?」

「現状、敵……つまりログエン王国で騒動を引き起こした人物だな。大森林で魔物が出現したことで騒動の首謀者がいると仮定することもできるが……可能性として考えられるのは二つ」


 疑問に対しユークは作業しつつ答える。


「一つはそもそも大森林に魔物を使役する人間はいない……例えば魔物を配置するだけして、自身は離れた」

「普通に考えれば、そのような結論になりそうですが」

「シアラがログエン王国に紅の魔物について報告し、将軍がやってきて……その間、魔物は出現していない。これにより今回魔物を配置した人間はとっくの昔に逃げていて、どれだけ調べても無意味という結論が導き出される」

「そうですね」

「ただし、もう一つの可能性について考慮すると……というか、シアラはそれを危惧して調べているわけだ」

「というと?」


 ユークは一度森を見据える。今は森の中ではなく町の周辺に怪しいものがないかを調べており、距離があるため森の中に気配があるのかはわからない。


「それは――異界に閉じこもっているか、だ」

「異界?」


 聞き返すアンジェ。思わぬ答えといった様子。


「えっと、それは……?」

「研究者などが実験を行う際に利用するケースがあるんだけど、現実とは違う異空間を作り、そこで魔法実験などを行う。例えば爆発魔法とかだと、室内でやるのは危険だろ? でも研究室を模した異空間を作成し、そこで魔法を使えば、現実に影響はなく威力などを調べることができる」

「それを使い、大森林に潜伏している?」

「あくまで可能性の話……ただ、シアラはこの可能性があると考え調査をしているみたいだ」


 アンジェは首を傾げる。シアラの推測に根拠はあるのか、と疑問に思っているようだ。


「……ま、明瞭な根拠というのはないだろう。現時点では可能性の話だ」

「わかりました……ただ異界まであるとなったら、何でもアリになってしまうのでは?」

「異界作成についても制約はある……多くの魔力がないと作成はできないが、この条件は大森林内ならクリアしている。よってシアラは大森林内の魔力観測とかをやっているんだと思う」

「魔力観測……怪しい場所を探している?」

「そうだ。ただ森の中には魔力溜まりはあるし……普通に観測するだけでは、異界があるのと魔力溜まりがあるのは見分けがつかない」


 そう述べた時、アンジェは何かに気付いたようで、


「しかしシアラ様は大森林のことを庭と仰っていた」

「そうだ……シアラの様子だと、森の中の魔力とかくらいは、国境を越えた場所も調べているかもしれないな」

「普段から調べている以上、魔力溜まりが発生する場所は把握している……それ以外にそういった場所があれば、必然的に怪しくなる」

「そういうこと……おそらく魔力の調査をして、正式に調査隊がやってきた時に精査することになるだろうな」

「……調査隊がやってくるまでもう少々時間を要します。仮に敵が森の中に異空間を作成して引きこもっているとしたら、どう動くでしょうか?」

「森の中に異空間を作成しているという状況では、敵もこっちのことを把握するのは無理だ……調べることができるとしたら、使い魔などを用いるしかない」


 そう述べた時、アンジェはさらに察した様子で、


「もしかしてユーク様、使い魔がいるかどうか調べているのですか?」

「ああ」

「……お二人は詳細な打ち合わせをしているわけでもないのに、役割分担しているのですね」

「シアラが森に入ったから、俺の方は何をすべきか考えた結果だよ。ま、シアラの方も異界があるのか根拠があるわけじゃないから、使い魔を探せとは指示しなかったけど」


 と、ここでユークは森の周辺で動いている一団に目を留めた。


「……シアラの配下が森の入口を見て回っているな。そのうち町へと戻ってくるだろう。そのタイミングで俺達も一度休憩しよう」

「わかりました」


 頷くアンジェ。そんな彼女を引き連れ、ユークは町の周辺をくまなく散策するのだった。


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