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4話 パートナー

「……」

「……」

「あらあらあら、急に黙り込んじゃって……いい歳して初心なんだから、2人とも。これじゃあ今日中にあれやこれやはなさそうね。大人しく寝るから、騒がしくするなら自分の部屋でね」

「わ、分かった」


 姉ちゃんには俺たちの目の前に表示されたウィンドウが見えなかったみたいで、それに対して特にリアクションなく部屋に戻っていった。


 姉ちゃんにもいろいろと心配されたくはないからそれはよかったんだけど……。


「……同種族呼び出し中ってどういうことだよ?」

「わ、分からないわよ! 私だってアナウンスとこれ見て知ったんだから!」


――――――――――

【選択可能スキル】

・感知

・自動回復

・身体縮小

・硬化

・思念会話

以上から1つ選択可能。次回スキル取得条件……ランクアップ、討伐数ノルマ達成。

――――――――――

【共有情報内容(両者表示版)】

主の情報

・《神子》の力により覚醒済み

・幼馴染(上司)との関係、友達以上恋人未満

・レベル概念有り

・独身

 ドラゴニュートの情報

・姫

・週3回

・名前アイ(仮)。変更可能

・テイム済み

・交尾経験なし

・同種族強制呼び出し中


取得スキルやレベル、ランク、魔法、状態異常等を確認するには別途ステータスウィンドウの表示が必要。

――――――――――


 共有情報の内容が偏っていることにツッコミを入れるのは後回しにするとして……やっぱり見間違いじゃないな。あれ。


「はぁ。もう今日は仕事はしたくないってのに……」

「わ、私だってへとへとなんだけど。そ、それとあんまり情報をじろじろ見るのは止めてくれるかしら」

「え? よくわからないけど……。とにかくその強制的に呼び出しされてる仲間ってのを確認しておかないとだな。観察眼……。……待てよ。折角だったらお前にこの役目を任せようかな。スキルの使い勝手によっては今後は敵襲来の報告役なんかも頼めるかもだし……」

「えぇ……。どうせだったら戦う用のスキルが欲しかったのに」

「んー……。どうしてもって敵を倒すのは最悪俺が出ていけばいいだけだし、それに……」

「それに?」

「ん、いや。なんでもない」


 危ないところだった。

 情が移る前に処されてくれればそれはそれでいいなんて本人の前では口が裂けても言えない。


「とにかく感知を選択して……。……。よし。使ってみてくれ」

「なんか釈然としないけど……分かったわ」


 スキルを使っている間のアイはその目を見開き、呼吸さえも忘れているように見える。

 ドラゴン特有の目が強調されてちょっと怖い気がしなくもないな、これ。


「えっと……すごく言いにくいんだけど」

「どうした?」

「あと数十秒でこの国が……たぶん燃やされる」

「……。ははっ。何を馬鹿なこと言って。流石にそんな危機が近いってなら魔法で察知できてるは、ず……」

「ドラゴンの移動速度は異常だから察知できる距離が中途半端だとこんなことも起こりえるの」


 アイの言葉を軽く笑ってやると、唐突に敵の気配が感じられた。

 俺の保有するスキル、『危機察知』は気持ちに余裕がある限り、あらゆる危険を察知できる。

 ただその反面範囲に限りがある、といてっても日本全土はカバーできるくらいの性能のつもりだったんだけど……。


 油断があったわけでもなんでもなくこれを突破され、不意を突かれるなんて思いもしなかったな。

 

 こりゃあアイに『感知』スキルを取得させたのは正解……。

 というかこの役目をさせるなら……アイも殺させるわけにはいかなくなったな。


「いくらあなたが強いとは言っても、100匹のドラゴンが放つ業火は防げない。だけど、おそらくは私にダメージがあったことが伝わって報復しに来ただけだから、ここは私が出ていって説得すればなんとかなるはず」

「でも、それだとお前を引き渡さないと、ってなるだろ?」

「まぁ……そうなるかもしれないわね」

「それだと困る。というか困ることに気づいちまった。ま、《神子》並みとまではいかないけど」

「……。そう。あなたも私を加護の中の鳥にするつもりなのね」

「そんなわけないだろ。今後は仕事を一緒にこなすパートナーとしてせっせと働いてもらう。さて……まずは俺がその炎をなんとかする。お前はドラゴンたちをできるだけ高い場所とか、被害が最低限になりそうな場所まで移動させてくれ。これは主、って言い方はちょっとあれだな……。んー。《神子》を守るという仕事の上司としての命令とでも思ってくれ。それじゃあ頼んだぞ。失敗したら明日の朝飯当番はお前だからな」

「……。ちょ、ちょっと待ちなさいよ! ……。なによ、そんな風に思ってくれてるとか……。そんな態度なら……。人間だけど、《神子》に頼らず素直に協力をお願いするっていうことも……。あー! とにかく仕事よ仕事!」


 アイが背後から追ってくるのを感じながら俺は急いで外に出た。


 すると外は異様な熱気に包まれ、上空には黒い点となって映るドラゴンたち、それに口に蓄えられた炎が俺の視力をもってなんとか視界に映すことができた。


「仲間の報復で攻撃するのは分かるけどさ、それじゃあその仲間さえ殺すことにならないか? ドラゴンという種族はおつむが悪いのかな? まぁいいや……。あの程度なら……上級魔法『透防御壁クリスタルウォール』」

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