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ミリアの孤児院奮闘記(仮)  作者: 三女和歌
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プロローグ

ある時、私は野菜クズしか入ってない味のしないスープを飲みながら思った「ああ、ミネストローネが飲みたい。味噌汁もいいなあ。」と。



そして、ふと考える。あれ?

ミネストローネとか味噌汁ってなんだっけ?

そう思った瞬間、蛇口の蓋を一気に開けたみたいに記憶がぶわっと戻ってきて処理しきれずに私は意識を手放した。




==============


目を覚ますと私はベッドの上にいた。身体を起こす。

頭が痛いし、記憶がちょっとおかしい。

私は「ミリア」だ。5歳でこの孤児院で生活している。

だけど、私じゃない私の記憶がある。これはもしかして前世の記憶かなのかな?

前世日本人だった「私」こと冨岡美由紀は、日本人の平均寿命よりは早く67歳に癌で亡くなった。だけど、孫もいて趣味も全力で楽しんで中々いい人生を生きた気がする。



趣味のキャンプは定年を迎えてからは、週末に旦那と時々小学生の孫達と1泊2日で行くのが楽しみだったなあ。



そんな前世の記憶を懐かしく思いながら窓の外をみると、同じ孤児院の子供達が畑作業をしていた。





ああ、今の私はミリア。5歳の活発な女の子だ。

まだ空も明るいこの時間は、孤児院の子供達はそれぞれ割り振られた仕事をしている。

ミリアも本当だったら畑作業に出ているはずだった。




やっぱり頭が痛いなぁ。それに喉も渇いたし。。

そんなことを思いながら窓の外を眺めていると外で畑作業をしている焦げ茶色の髪を横結びにしたミリアよりも少し背の高い女の子と目が合った。2歳年上のカリーナだ。



カリーナは驚いた顔をしながら窓の方に駆け寄ってくる。



「ミリア!目を覚ましたの?!体調はどう?今サルー院長先生を呼んでくるからね!」


カリーナは心配そうな顔をしながら窓の方へ駆け寄ってきてミリアに声をかたかと思うと慌ただしく去っていった。



私、どれくらい寝ちゃってたんだろう?

カリーナの想像以上に心配そうな顔を見たら不安になってきた。夕食の時間に倒れたことは覚えているけど、今は空が明るい。一晩気絶していたんだろうか?




バタバタと足音が聞こえてきて、大部屋に入ってきたのは先ほどのカリーナとこの孤児院の院長先生であるサルー院長だった。




「ミリアさん!目が覚めたんですね!水を持ってきましたからまずはこれを飲んでください。」



ミリアは大人しく水を飲む。思った以上に喉が乾いていたようで一瞬で飲み干してしまった。



「ミリアさんは一昨日の夕食に気絶してから2日間目を醒さなかったんですよ。高熱が出ているしこのまま目が覚めなかったらと心配しました。…お医者様を呼ぼうにもうちには呼べるお金がなくて…どうしようかと思いました。」


「そうだよ。ミリア。急に倒れて本当に心配したんだよ!」



そんなに眠っていたのかと驚いたものの、一度に記憶を思い出したことで知恵熱でも出てしまったのではないかと思った。



「心配かけてごめんなさい。熱も下がりましたし多分もう大丈夫です!」

ミリアはこれ以上みんなに心配はかけまいと、少しオーバー気味に両手を上にあげてパワーいっぱい!とポーズをとりながら元気に答えた。



念のためもう1日休んでおくようにサルー院長先生から言われ、ミリアは再び大人しくベッドにねころんだ。




いつのまにか頭痛は収まっていた。



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