カーテンを変えて。
カーテンを変えて、
部屋の雰囲気が変わった。
遮光のいいカーテン。
デザインはシンプルだけど、
日本画風の落ち着いたデザイン。
モノクロの好きな僕は、
中途半端な色が嫌い。
グレー、ブラウンなど。
中途半端なくせに、
主張が目立つ。
もう少し大人になったら、
グレーゾーンのことも許せるようになるのかな?
黒白はっきりしているのもが
綺麗だと思い込んでいるだけなのかもしれないけど、
グラデーションは綺麗だと思う。
グラデーションなんて
中途半端な色の象徴みたいなものだろ?
はっきりしている色なんて最初と最後だけ。
自分が本来好きなのは初めと終わりだけのはずなのに、
ひと繋がりになると綺麗だなって思う。
不思議だ。
多分僕は少しずつ大人になっていっている証拠なのかなって思う。
いい歳になって何いってんだか。
黒と白なんて、
最初と最後しかない。
それ以外は全て、
中途半端な色。
見える世界が広がったのかな?
許せることが増えたのかな?
はっきりするのに疲れたのかな?
多分、どれでもなくて、
正解は、自分の生きたい世界が決まって、直接関わらなくていい世界が広がったからだと思う。
同情ということが差別だと知っているから。
それに対して、悪意なく接している人がいて、それがほとんど善行だと知っているから。
その全てが素晴らしい行いだと思っているから。
だから、今この時代にあえていう。
僕には腕が2本しかない。
助けられる範囲が限られてるし、いうなら狭いし、もっと言えば助けているよりも助けられてることが多い人間だ。
そうだからこその社会なんだと思う。
みんなの力を少しずつ集めることができるから社会なんだと思う。
人の命は平等ですか?
答えは、YESとNOだと思う。
社会的には、世間的には、建前的にはYES。
人間一人一人ならNO。
もし、個人的にもYESの人がいたら、
僕は怖いし、悲しい。
大切な人は?
好きな人は?
支えてくれている人は?
一緒なの?
全部?
そこには優しさがあると思う?
黒と白は極端なんだ。
グラデーションの端っこだから。
どう転ぼうと反対の色と、グレーな部分から攻撃がある。
真ん中にいるより強く、深く、鋭利な刃物で容赦なく刺してくる。
それは極端だから。
白と黒のグラデーションのカーテンを見て思う。
白と黒て生きづらいなって。
『カーテンを変えて。』