プロローグ
時は、2508年。
人類は、二十世紀後半に始まった、地球温暖化の拡大を止めることができず、二十三世紀から始まった、地球温暖化による地球での生命維持活動困難時における火星移住計画による火星開発が最終段階に突入したため、世界各国は火星への移住を決定。そのため、火星領地区分会議が現在、開かれていた。しかし、毎度のことながら、絶対にすんなり、話がまとまるわけがなく、日本連邦やアメリカ連邦が中心の連邦国側と、中華合衆国やイギリス合衆国が中心の合衆国側で激しい、やりとりが続いていた。
―中華合衆国・日本人居留地―
「そういう、訳だから、君は、旭を連れて帰ってくれ。着いたら、外務省の俺の同僚が待ってくれているはずだから、暫くの間はそいつの世話になってくれ。」
火星領地問題で緊張が続いている、中華合衆国の日本人在住者に対して日本連邦は安全確保のため、日本連邦への帰国を命じた。
そんななか、日本連邦在中華合衆国大使・大澤 健は引き上げ船の準備などにおおわれていた。
「わかったわ。次の引き上げ船で帰ります。あなたも早く帰ってきてくださいね。」
「わかってるが、在住日本人がすべて引き上げないと立場上、帰れないからな。」
二日後、日本連邦大使館で大澤 健は暗殺された。
さらに、その十五分後。中華合衆国軍は、国家反逆罪の容疑で在中華合衆国日本人二十五名を拘束。拘束に従わなかった、十名を殺害した。
もちろん、健の家族にも例外はなく、妻のあすかと息子の旭も中華合衆国軍に拘束された。
後に、この中華合衆国の行動に対し、日本連邦は抗議文を送ったが、中華合衆国側がこれを無視。武力行使も視野に入れていた、日本連邦はアメリカ連邦と供に中華合衆国に宣戦を布告し、中華合衆国と同盟関係にあった、イギリス合衆国が戦争に参加。戦火は全世界に広がった。