習得
何故だ、と思っているのは俺だけではなく、ガルーダも目を見開いて驚いているようだった。
その時本から、ピコン、という音がして「習得しました」の文字が浮かび上がった。
え、何がだよと疑問を投げ掛けると、それに答えるかの様に本にまた文字が浮かび上がる。
「S級風魔法 超風刃」
…どうみたってこれ、さっきのガルーダの攻撃だよな…だって風だし…。
まさか、と思った矢先にガルーダは先程よりも大規模な魔法を展開、発動してきた。
「どうやったかは知らんが超暴風刃は防げぬ、これで終わりよ」
その風魔法は先程のそれとは比べ物にならないほどの規模の圧を感じる。
恐らくこの場の木や地面ごとすべて吹き飛び原型を残さないほどだろう。
俺は死ぬならば、最後まで足掻いて死にたい。
本が魔法を吸収するのであれば、この即死レベルの魔法も恐らく習得できるはず。
一か八か、また本を投げてみた。
「本よ!この異常な魔法も習得してくれっっ!」
その言葉に呼応するかの様に本がたちまち光り輝いた。
と同時に、魔法が勢い良く本に吸収されていく。
この光景にはさすがのガルーダも信じられないようだった。
「SS級風魔法 超暴風刃を習得しました」
きた、読み通りだっ!