神鳥召喚
「貴様」
「はい!」
ちょっと焦ったので声が裏返ってしまった。
なんだか鳥相手だけど恥ずかしいな。
「そこの魔導書に『来たれ』と叫んでみよ」
「かしこまりました!」
ここで皆様には社畜をなめないで頂きたい。
返事の大きさと早さは基本で、上司やお客様の言うことは絶対なのである。
そしてすぐに行動、これが上司やお客様を怒らせない得策だ。
少し離れたその魔導書とやらに向け、大きく息を吸い込む。
『…来たれっ!!』
叫ぶと魔導書が声に呼応するかのように光輝き、手元までワープしてきた。
魔導書とやらは手の先でフワフワと浮いている。
なるほど、来たれと言うと近くまでくるのね。
浮いてるのにはかなりの違和感があるけれども。
「なるほど…やはりそういうことか…」
…どういうことだろう。
「偶然とはいえ、300年も呼ばれることのなかった我を呼んだということはそれほどの魔素力があったのだろう」
これは褒められているのだろうか。
「お主らのルールとやらに乗っ取ってやろう。今から我と生きるか死ぬかの殺し合いを行う」
…あ、コレ知ってる、死んだやつだ。
「我を使役したけば勝利することだな。まず有り得ないとは思うが」
基本、召喚?は使役するために呼ぶってことか。
…いや、こんなのわかったとこで今また死ぬんですけどね。
「精々励むんだな」