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ブラック本屋は異世界への入口  作者: 紙コップ
第1章 出会い
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広がる光景


…………


……目を覚ましたそこは、木々が生い茂った森の中。


背中を支えてくれているのは数百年間育ってきたであろう巨大な木。


周りの木よりも威厳があり、なんというか存在感が全然違う。


神秘的という言葉に近いかもしれない。


そういえばここはどこだ?…と考えながら立ち上がると、急に眩暈が襲ってきた。


立ち眩みかもしれない、こんなところでどのくらい眠っていたかわからないが、長い間座っていたなら症状が起こるのも仕方がない。


しかもなかなかたちが悪く、立っていられない程だった。


やばい、と思い木に手をつく。


その時、上の方からガサガサっと大きな音が鳴った。


というか、近付いてくる。


え、これはやばくね?っと思ったときにはもう遅い。


頭を狙って、何かが衝突してきたのであった。


なかなかの痛さと立ち眩みの相乗効果により、完全にノックアウトだ。


はぁ…ほんとついてないな。


ブラック企業には勤めちまって家に帰れないし、サービス残業のオンパレードだし、帰り道に車にも轢かれるし…。


ん?あれ、そういえば俺は車に轢かれたんだよな?


ということは…


慌てて自身の体を確認する。


…が、腕、足、腹から胸、特に異常はない。


頭は痛いが。


血が出てる感じもなく、どこかが動かないなんてこともない。


社畜として由緒正しき自前のスーツも破れていない。


…でもあれ、なんか俺の体縮んでね?


腕の長さ、手の大きさ、足の幅、なんか全体的にちっちゃくなっているような…


いや、これはなってるな。中学…2…いや、3年くらいの俺の体に近いな。


なるほど、整理してみよう。


まず車に轢かれて目を覚ますのなら病院がセオリーだ。


これは一般常識だろう。


だが周りは森。


体にはケガひとつ無い。


さらにこの縮み具合。


この状況はつまり…


「三途の川的な…?」


いや川近くにないだろっとツッコミたくなるような、我ながら考えを放棄してるともいえる恥ずかしい解答しか出てこなかった。


とりあえず出来ることをやるか…。


そういえば、と先程頭に落ちてきたものに目をやると、そこには大きな本が落ちていた。


だいぶ古びた本だが、幾何学的な魔方陣のような模様があしらわれており、なんといってもゴツい。


俺の上半身程はある大きなその本を表紙から調べてみるも、特にタイトルなどは見つからない。


本は読むものだと、中を開いてみた。


その瞬間。


全てのページが光輝き、捲ってもいないのにただひたすら捲られていく。


バラバラ…と一頻り開かれた後、1枚のページで止まった。


驚きながらも目を逸らせずにいると、そこから何かが浮き出してきた。


よく見ると、文字のようだ。


英語に近いが、スペルも分からなければ見たことのない模様のようなものも混ざっている。


…これはどうすれば良いものか。



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