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広岡マンの欲望~これは笑えないよ~

作者: ムラカワアオイ

「聞いた話」


昔な自動車修理工場で、僕、働いてたんよ。社長は優しかったんやけどな、先輩の矢島さんって人にな、毎日、あほや、間抜けやって、いじめられとったんよ。残業ばっかりで、めちゃ、しんどかったんや。その日もな、残業で、僕、疲れ果てとって、鉄パイプでつまづいて、転んでもたんよ。その時、運悪く、クレーンのな、スイッチに触ってもて、鉄パイプが、がらがらっと。それでな、うっすらと目を開けるとな、僕の膝の上に血まみれになったな太い腕があったんよ。その腕は矢島さんの腕やったんよ。苦痛に顔をゆがめてな、矢島さんは。「広岡マン、救急車呼んでくれ」って。それでな、サイレンの音の中、病院で、待つこと半日。腕の縫合出術が終わってな。矢島さんが笑顔で「広岡マン。こんなことでヒーローの夢、捨てるなよ。早く、ヒーローになって、俺を喜ばせてくれよ」って。それが救いやったわ。


「ほんまかいな」


ヒーロー界一、速い男を決める競技、50メートル走で優勝したんよ。まぐれなんやけど、スタートダッシュが上手くいってな。二位に一秒も差をつけて圧勝したんや。応援パフォーマンスは、Wピストルズの二人やったんや。張り切り過ぎて遠足前、眠れへんねん。作詞したんや。歌うで。

『僕はきれいな海にお風呂に入る。海もお風呂になる。実際実際っていうけれど、受験に打ち勝つ精神はところどころ。ジョージ』

聞いてくれてありがとう。


「広岡マンという男」


彼の名前は広岡マン。今のハリウッドを作った男だ。彼は好かれていた。お会いになられた、全員の生年月日、名前、血液型を手帳にメモしては、勝手に人の写メをばらまく男だ。しかし、ハリウッドには広岡マンの銅像も記念碑も存在しない。なあ、マイケル。


「今日はこの辺りで」


広岡マン。ありがとー。追悼。広岡マン。

今日は広岡マンを偲ぶということで、お集まりいただいた皆さん。

線香だけにセンコーと広岡マンが言いだしそうですね。まさしく。

広岡マン、出棺。おばあちゃん、観てますか。

あれかいな。そっくりやなぁ。どうも広岡マンを生前、可愛がっていただきありがとうございました。

広岡マンが、こんなに愛されているとは知りませんでした。

さらば、広岡マン。君は本当にきれいな男だった。


今、神の子、広岡マンは神のもとへ帰る。

真の笑いをありがとう。

あんまり、ウケへんかったけどな。

さらば、この世。おじいちゃん、観てますか。

あれかいな、そっくりやなぁ。

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