4話 騎士団なんかチョロいぜ(・o・)(★1800)
「あーん」
「んぐっ……」
「うまい?」
「めっちゃ」
「////////」
〜〜〜マジレス〜〜〜
↓↓↓↓↓❗
イルナ「ヨイショ」
団員「あいつあんな重いものを」
団員「あんなに軽々と……」
団員「信じられん」
イルナは塞いでいた岩をどかした。
イルナ「ここで生まれ育ってよかった……」
イルナ「騎士団の罠はチョロいぜ」
イルナ「へへ」
団員「しかし」
団員「あいつごときじゃ」
団員「捕まったってどうせ牢獄行きだ」
悪態をつく騎士団員。
団員「俺ら騎士団員様が」
団員「栄光ある死をくれてやる」
ブンっ!
イルナ「ぐはっ」
イルナは怪我をした。
手のか皮がめくれ破片がこびりついた。
イルナ「くそくそ……なんで」
イルナ「私だって」
イルナ「好きで貧民街に生まれたわけじゃない」
騎士団員のレイピアがイルナの体を貫こうとした時、
団員「グハっ」
イルナ「!?」
ピカ。
イルナが持っていた上着が光りだす。
団員「なんだこれは」
団員「あれは」
団員「マジックアイテム!」
団員「あのガキの言葉に反応して……」
団員「そんなバカな」
驚く騎士団員。
精霊「偉大なる炎の精霊……」
精霊「汝の敵を打ち払わん」
巨大な炎になる。
辺りを包み込んだ。
騎士団員がやられていく。
イルナ「何がおこったんだ……」
イルナ「今のうちに逃げないと」
その騎士団員達はイルナの持っていたマジックアイテムによって倒された。
団員「くそ……」
レイピアはその場に落ちた。
ダッ。
イルナが持っていた上着に魔法を発動させるアイテムが入っていた。
イルナ「?」
イルナ「あの時盗んだあれか」
イルナ「もしかしてあいつって」
イルナ「そんなまさかな」
団員「そうさせるか」
今の騒ぎを見ていた他の団員。
早々にイルナの元に駆けつけた。
団員「捕まえた」
団員「この小娘」
団員「もう暴れるんじゃねえぞ」
団員「いいな」
イルナ「わーわー」
団員「エルウェン様!」
騎士団員がイルナをエルウェンに引き渡す。
エルウェンは青ざめる位の顔をしていた。
エル「こいつを牢獄へ連れて行け」
エル「今の魔法は一体?」
エル「これはマジックアイテム」
エル「こんな街中で使うとは」
エルウェンは驚いている。
エル「なぜあんな盗賊娘が?」
訝しがる。
カルラ「説明を読めば誰でも出来る」
団員「何者だ?」
イルナ「あ」
イルナ「あんたはあんときの」
カルラ「.....」
イルナ「こんなとこまで」
イルナ「お礼参りにきたってわけ?」
イルナ「悪いけど私は最後のイタチってやつで」
カルラ「……」
イルナ「あ、そーでもない感じ?」
カルラ「……」
イルナ「……」
イルナ「......いや、ごめん」
その盗賊娘が姿勢を改める。
イルナ「ありがとうございます」
カルラ「どうした急に」
イルナ「いや、なんつーか」
イルナ「あんたのアイテム?ってやつのおかげで」
イルナ「私はとりあえず助かったっつーか……//」
イルナ「うん」
イルナ「そういうことだよ……だぜ?」
イルナ「うん」
イルナ「お前のこと兄貴って呼んでもいいか?」
イルナ「あと私はイルナって言います……はい」
カルラ「……」
そのイルナと言う子は嬉しそうだった。
イルナ「つーかこんな私でもさ」
イルナ「助けてが来るなんてな//」
イルナの笑顔はとても輝いていて、
まるでかつての自分を見ているようだった。
イルナ「////」
必死に冒険をしてモンスターを倒して、
レベルを上げていたあの頃。
懐かしく感じた。
イルナ「えへへ……」
もう二度とそんなことを感じてはいけないと、
思っていたはずなのに。
カルラ「……」
なぜか心の中ではほんのりの高揚が芽生えた。
イルナ「兄貴ー」
イルナ「おーい」
彼女との出会いは俺がもう一度冒険者で、
あり続ける所以になるのかもしれない。
俺はそう感じていた。
カルラ「まったく...貴重なマジックアイテムを使いやがって」
あっという間にイルナをかかえる。
イルナ「おわ、おい」
イルナ「待ってよ」
カルラ「お前の兄貴になった覚えはない」
カルラ「けど」
イルナ「じー…」
カルラ「?」
イルナがバッグを見つめている。
カルラ「腹が減ったのか?」
イルナ「な……ちっ違げーし//」
イルナ「グーって言ってないだろ?」
カルラ「これか?」
がさごそ。
騎士団員が持っていた袋の中。
小麦粉が入っている。
それを使ったパンというもの。
イルナ「じーっ」
それをイルナはじっと眺めていた。
カルラ「ふふ」
イルナ「わいわい」
イルナ「兄貴がきてくれた」
ぎゅー。
カルラ「しがみつき過ぎ」
イルナ「やったやった」
カルラ「そんなにはしゃぐな」
カルラ「みっともない」
イルナ「いいじゃねえか」
イルナ「こういう時ぐらい」
カルラ「行くぞ」
カルラ「逃げるぞ」