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(☆450) 汗をかくイルナ
「あちー…… 何とかしてくれよ兄貴」
「無茶言うな」
「ケチ」
椅子に座ったまま項垂れるイルナ。
「あ、そーだ」
「かくれんぼしようぜ」
「エヘヘ」
「もちろん兄貴は鬼」
「このクソ暑いのに」
蝉が鳴いている。
「いたらいくぞ12……」
「ちょっと待てよ」
音を立てているのは急いで走り出した。
近くの声。
どこかに隠れるつもりなのだろうか。
「早く見つけろよ♪」
夏である。
「いいなあ」
前は歩いていたエルヴィンがボソッとそう呟いた。
「だ、だーれだ?……//」
「美味しいビール」
「暑くないか」
「なんだか暑そうに見えたから」
「そう」
「暑くないと言えば嘘になるわね」
「暑いのかよ」
「ジーっ……」
「……」
また隠れて覗き込んでくる。
「陰でそこにいるのが見えてるぞ」
「なっ……! //」
「仕方ないな」
「今日のところはこれくらいにしといてやる」
「何もしてないだろ」
「//」
「どうしたんだシリル」
「いや何でもないが」
誰にでも優しくなりなさい
誰かにそう言われた気がした。




