3話 56されたと思った……。
エルウェンです。
キレイ。
「おい」
「はい」
「へんじされた」
「きゃ」
「なんだよだし」
「……」
「べっぴんさん……」
「それほど……だし」
「//」
〜〜マジレス〜〜
↓↓↓↓↓のようなもの
あのひょろひょろの青年にぶつかった後、
そのまま自分の目的地へ走った。
イルナ「んなことより早く」
イルナ「たどりつかないと…」
イルナ「今日はここのルートを通って……」
イルナ「屋根裏に潜入するっていう寸法だ」
イルナ「宝物〜」
イルナ「フフン」
団員「おーいこっちだ」
団員「イルナが見つかったぞ」
騎士団員が近づいている。
イルナ「何でばれたんだ……?」
団員「甘かったなイルナ」
団員「何時までも逃げ回りやがって」
団員「でもイルナのやつもうこんなところにまで」
団員「腕が上がってやがる|
イルナ「……私はお前らなんかには捕まらないやい」
団員「貧民街の小娘が」
イルナ「あ痛!!」
何かにつまづいた。
盛大にこけてしまった。
膝を大きくズル剥けている。
イルナ「……」
痛いし動けない。
誰かが近づいてくる。
団員「次期騎士団長とも名高いエルウェン殿だ」
エル「もう追い詰めたぞ」
イルナ「エラそーなおばさんが……」
エル「は?」
イルナ「なんでもない」
27歳くらい。青髪ショート。つり目。
エル「……」
イルナ「見下しやがって……」
むかつくババア。
イルナ「くそ! こんなところで……」
イルナ「また捕まっちまう」
私は仰向けに転がったまま空を見上げた。
天高くそびえる都市の建物。
隙間から小さく空が見えた。
切り取ったその合間の風景。
何かがぽっかりと空いているようで、
エル「……」
ごそごそ。
エル「イルナ」
イルナ「け、こんなところか」
今だ!
エル「同じ手は」
エル「二度は食わないぞ」
封じられるアイテムを既に用意されていた。
イルナ「はあ⁉ なんだよそれ⁉」
私の不意打ちは見破られていた。
エルウェンのマジックアイテムから稲妻が走る。
イルナ「ぐはっ」
衝撃がはしる。
頭を一撃だった。
完全に身動きが取れず私はそのまま意識を失った。
〜〜〜〜〜〜〜〜
牢獄の中。
イルナ「ここは……」
次に目覚めた時はいつもの、
そうして
イルナ「またいつもの天井か」
腕で顔を隠しながら ベッドで仰向けになったまま。
めんどくさそうに私は呟いた。
イルナ「あーこんなことなら」
イルナ「へんな騒動起こすんじゃなかった」
イルナ「ああ」
イルナ「つーか腹減ったな」
イルナ「今度という今度は本当に」
イルナ「はあ」
イルナ「二度目はないってか」
ここが。
私の墓。
腹減ったなあ。
小麦粉で作った……。
イルナ「あれもう1回食べたいな」
イルナ「こんな私に……」
ドコ!
大きな音。
辺りに響いた。
エル「?」
エル「何かが起こったことはわかったが」
エル「いったい……」
イルナ「何なのこの感じ……」
エル「何が起こったか説明しろ!」
団員「はっ」
騎士団長エルウェンが近くの者を呼び止める。
団員「市街地にて」
団員「エルウェン様と同様の」
団員「マジックアイテムと思われるものが使われました」
団員「周囲2名が負傷しております」
エル「手当を急げ」
エル「脱獄者は徹底的に防ぐんだ」
団員「はっ!」
何としても。
エル「何か起こってる……?」