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さらっと
「おい兄貴それは魔物様だぜ」
「人間はこっちの袋だよ」
「同じ色だからって間違えるなよな」
いるのはそう言ってケラケラ笑っている。
俺は馬鹿だが間抜けじゃない。
「私のこと、私の正体知ってても助けてくれるって言ったから」
「私も頑張りたいから」
「イルナ……お前」
やっぱり馬鹿で間抜けだった。
「今まで騙してごめん」
一呼吸で一気にそこまで呟く。沈黙が肌に響く。
「はーあ……生まれてこなきゃ良かった」
イルナは右腕で顔を隠すようにして続ける。
「それは俺のセリフだ」
イルナは魔王の娘だった。
「夜の街で何しろってな」
「確かにつきあかりは綺麗だけどさ〜」
犬のため息混じりながら。
俺の後ろをつかず離れずついてくる。
「甘いもの食う思ってんならさこっちのほうじゃなくて」
「もっと向こうなのにさ」
普段よりもよく喋り続けていた。
「よく喋るな」
「前もって言えばさ最近できたあのカンロ屋知ってるか」
「冷たくて結構いけるんだぜ」
「……」
「こんな綺麗なとこあったんだな」
「緑色に光ってら」




