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CF総旗艦 BB‐15「八洲」

【艦籍】

艦名:八洲(やしま)

艦種:戦艦

艦番号:BB-15

所属部隊:CF第一打撃群

モットー:海魔降臨(かいまこうりん)


【船体諸元】

全長:303m

水線長:296m

全幅:41m

水線幅:39m

平均吃水:10.4m

基準排水量:85,000t

満載排水量:95,500t

機関:統合電気推進方式(320,000馬力)

◇MT30主ガスタービン発電機(35MW)×8基

◇LM500補助ガスタービン発電機(5MW)×8基

◇AIM電動機(30MW、40,000馬力)×8基

最大速力:30ノット以上

航続距離:20ノットで10,000海里(18,520km)

乗員:約1,200名

◇個艦要員約1,100名(士官約100名、曹士約1,000名)

◇司令部要員約100名


【武装】

九四式45口径46cm三連装砲×4基12門

三年式60口径15.5cm三連装砲×4基12門

Mk.41 VLS 32セル×4基128セル

◇ESSM 短SAM

◇VL-ASROC SUM

◇タクティカル・トマホーク SLCM

◇LRASM SSM

68式三連装短魚雷発射管×2基

エリコン90口径35mm連装機関砲KDA×4基

ファランクス20mmCIWSブロックⅠB×4基

AN/SEQ-3 LaWS×4基


【装甲】

主甲帯:510mm+20mm VH+ケブラー

中甲板中央部:230mm+20mm MNC+ケブラー

中甲板外舷部:250mm+20mm MNC+ケブラー

最上甲板:50~40mm+20mm CNC+ケブラー

魚雷防御隔壁:240~80mm+20mm NVNC+ケブラー

艦底:40mm+20mm CNC+ケブラー

煙路:380mm MNC

弾薬庫

◇側面:300~150mm+20mm VH+ケブラー

◇天蓋平坦部:230mm+20mm MNC+ケブラー

◇天蓋傾斜部:250mm+20mm MNC+ケブラー

◇床面平坦部:50mm+20mm CNC+ケブラー

◇床面傾斜部:80mm+20mm CNC+ケブラー

舵取機室

◇上面:230mm MNC

◇側面:460mm VC

司令塔(予備操舵室)

◇側面:600~450mm+20mm VH+ケブラー

◇天蓋:250mm+20mm MNC+ケブラー

◇床面:80mm+20mm CNC+ケブラー

◇交通筒:400mm+20mm VH+ケブラー

FICIC

◇側面:400mm+20mm 超高張力鋼+ケブラー

◇天蓋:200mm+20mm 超高張力鋼+ケブラー

主砲塔

◇前盾:650mm+20mm VH+ケブラー

◇側面:250mm+20mm VH+ケブラー

◇後面:190mm+20mm NVNC+ケブラー

◇天蓋:270mm+20mm MNC+ケブラー

◇バーベット:560~380mm+20mm VH+ケブラー

副砲塔

◇前盾:25mm+20mm HT+ケブラー

◇側面:20mm ケブラー

◇後面:20mm ケブラー

◇天蓋:20mm ケブラー

◇バーベット:25mm+50mm DS+CNC

Mk.41 VLS

◇側面:20mm ケブラー

◇底面:20mm ケブラー


【C4I】

AN/USC-42衛星通信装置

GCCS-CF

NTDS(リンク11/14/16/22対応)

NIFC-CA(データ送受信・中継のみ)

IBACS(Integrated BAttleship Combat System)

トマホーク武器システム


【レーダー】

OPS-24B 対空捜索用×2基

AN/SPQ-9B 砲射撃指揮・低空警戒用×2基

FCS-2-31F 砲射撃指揮・短SAM誘導用×8基

OPS-20C 航海用×1基


【ソナー】

OQQ-21 艦首装備型

TACTASS 曳航型


【艦載機】

SH-60K×2機

MQ-8B×4機

ワイバーンロード×4騎


【その他の艦載機器】

NOLQ-3D電子妨害装置×2基

Mk.137デコイ発射機×8基

敵味方識別装置

対潜マスカー

船体洗浄スプリンクラー



◇概要◇


 CF司令長官、アリーナ・デ・サフィールスが座乗する巨大な超弩級戦艦。アトランス帝国の皇室に建国以来代々伝わる伝承、フルミオンの四行詩に「蒼海を征す魔人の(ふね)」として記されるCFの総旗艦であり、総旗艦直率のCF第一打撃群旗艦を兼ねている。


 本艦のベースとなっているのは、アリーナが前世でプレイしていたMMORPG「シーパワーズ・ストライク」内で手に入れた、旧日本海軍の「超大和型戦艦51センチ連装砲塔四基八門・基準排水量八五〇〇〇トン案」の戦艦。前世の彼女はゲームの中で、この戦艦に様々な現代技術を惜しみなく投入して近代化改修を重ね、今や異なる時代の様々な装備が同居する艦影となっている。


 その改修によって本艦が搭載する武装・センサー類は、現代艦艇用の標準的な戦闘システムに大口径艦砲の射撃管制能力などを加えた、本艦独自のIBACS(アイバックス)――統合戦艦戦闘システム――によって一括管制されている。友軍艦艇・友軍航空機・友軍地上部隊などとの共同交戦能力も充実しており、リアルタイムのデータリンクで離れた場所にいるイージス艦などが捕捉した対水上・対空・対地目標との交戦も可能。CF総旗艦としてGCCS‐CFによる高い艦隊指揮能力も併せ持つ。


 加えて本艦は、艦内の全システムをネットワーク接続したIBACSの恩恵によりオートメーション化も進んでおり、運用に必要な乗員は司令部要員を含めても最大で一二〇〇人程度でしかない。更に統合電気推進に改修された機関により有り余る電力を活かして居住性を向上させ、史実の大和型戦艦で指摘されていた様々な問題点や欠陥が解消されているのみならず、対NBC――核・生物・化学――防護能力も現代艦に求められる水準を完全にクリアしている。



◇装備◇


 今の所、主砲は敢えて大和型戦艦用の九四式45口径46センチ三連装砲に換装されており、この為に本艦は51センチ連装砲塔四基八門案の船体に46センチ三連装砲塔四基一二門を載せた艦影となっている。副砲の三年式60口径15.5センチ三連装砲は、元々は上部構造物前後に二基と左右両舷に四基の計六基であったが、現在は両舷の副砲を半減させて前後と両舷に二基ずつの計四基となっている。


 各種ミサイル戦に使用される一基三二セルのMk.41 VLSは、上部構造物前後の副砲塔バーベット両脇に二基ずつの計四基一二八セルを装備。搭載ミサイルの基本的な組み合わせは、VL‐ASROC対潜ミサイル、タクティカル・トマホーク巡航ミサイル、LRASM(ロラズム)長射程対艦ミサイルが各三二発ずつ、Mk.25キャニスターによって一セルに四発収まるESSM個艦防空ミサイルが一二八発となっており、本艦に対空・対艦・対潜・対地のいずれにおいてもバランスの取れた高い対処能力を与えている。


 対潜装備にはVLAの他に68式三連装短魚雷発射管も搭載されており、後述の現用ソナーによる管制を受けて単艦でも充実した対潜能力を有している。


 その他の搭載火器としては90口径35mm連装機関砲KDAと、戦術高エネルギーレーザー砲LaWSを、上部構造物左右に四基ずつある12.7センチ連装高角砲用の砲座に装備。ファランクス20mmCIWSは両舷に二基ずつある九四式高射装置用のマウントに装備されている。


 捜索レーダーは対空捜索用として第一艦橋上部の一五メートル測距儀筒に、相応の補強を施した上でOPS‐24Bアクティブフェーズドアレイレーダーを左右二基搭載する。このレーダーがアクティブフェーズドアレイ式である事を活かして、本艦に搭載された物には敵味方の砲弾を追尾する能力も付与されている。


 射撃管制レーダーとしてはAN/SPQ‐9BとFCS‐2‐31Fを搭載し、これにより主砲も副砲も高い射撃精度を与えられている。低空警戒兼用のAN/SPQ‐9Bは第一艦橋頂部と後楼頂部に各一基ずつ計二基、短SAM誘導兼用のFCS‐2‐31Fは第二艦橋上と後楼機銃座に二基ずつと各副砲塔上に直接一基ずつの計八基が積まれており、後者は先述のOPS‐24Bと連動して運用される事でむらさめ型護衛艦やたかなみ型護衛艦と同様の対空戦闘システムを構築している。


 尚、万が一これらのレーダーが使用不能になった場合に備えて、本来の砲射撃管制システムを構成する九八式方位盤と九八式射撃盤改一もそのまま残されている。その場合本来の射撃手順と異なる点は、AN/SPQ‐9B設置の為に撤去せざるを得なかった方位盤観測鏡の代わりに、防爆シールド付きテレビカメラの映像を観ながら各種照準作業を行う所であろう。


 艦首に元々潜水艦対策として装備されていたソナーは、ひゅうが型護衛艦と同じOQQ‐21統合ソナーシステムに換装されている。戦艦の巨体ながら曳航式のTACTASSも艦尾に装備しており、本艦はレーダーのみならずソナーも完全な近代化を果たしている。


 以上の改装により、武装では12.7センチ連装高角砲と25mm三連装機銃、及びそれらの管制装置である九四式高射装置と九五式射撃指揮装置、旧来の二号一型電探・二号二型電探・一号三型電探が全撤去された。



◇機関◇


 本艦の機関は艦本式缶と艦本式タービンの組み合わせによる蒸気タービン推進から、ズムウォルト級駆逐艦を参考に組み上げた統合電気推進機関に全面換装されている。三枚翅のスクリューも大馬力を受ける際の推進効率を考え、新たな五枚翅の大直径スキュードスクリューに換装された。


 主発電機にはズムウォルト級と同様に出力三五メガワットのMT30ガスタービン、補助発電機にはズムウォルト級と異なり出力五メガワットのLM500ガスタービンをそれぞれ八基ずつ搭載。その電力で出力三〇メガワット/四〇〇〇〇馬力にまでパワーを下げたAIM電動機を一軸当たり二基で駆動し、それでも四軸合計八基で最大三二〇〇〇〇馬力もの推力を発揮して三〇ノット以上の速力で航行出来る。


 これは史実の大和型が機関の信頼性を重視して、初春型駆逐艦四隻分のタービンを若干低出力化した物を積んでいた事に因んだ措置でもある。従って本艦の推進システムはズムウォルト級四隻分のそれから馬力を少し抑えた物と言える。


 機関配置もまた、本艦の本来の構造を活かした物となっている。


 シーパワーズ・ストライクにおける「超大和型戦艦51センチ連装砲塔四基八門案」の缶室は、主砲塔を前後に二基ずつ載せている事と大和型よりも大型の集合煙突を有する上部構造物に由来するバランス上の理由から、大和型の様なほぼ艦橋直下ではなく艦体のほぼ中央部に当たる集合煙突の直下に纏めて設けられていた。


 この缶室は、一二基のボイラー全てを一つ一つ独立した水密区画に区切って四列に配置する構造をしており、本艦ではその水密区画を一二から八つに区切り直してそこに一基ずつMT30ガスタービン発電機を収め「主発電機室」としている。これによって本来の大和型や超大和型と同様に、ダメージにより一室または複数の発電機室が浸水しても他が無事なら発電と航行が可能であり、その後方にあるAIM電動機を収めた艦本式タービン用の機械室も同様に水密区画化されている。


 煙突の外観は改修前と特に変わらないが、内部はガスタービン機関用の集合煙突に改造されている。吸気口に関しても元々上部構造物側面に複数あったボイラー用の吸気口をそのままガスタービン用に改造したのみである。煙突部の改装が小規模で済んだ為に煙路の三八〇ミリ“蜂の巣装甲板”は撤去されずそのまま残された。


 以上の大規模な機関換装により、艦内外の各種電子機器や生活設備で使用する電力に大幅な余裕が生じた他、重いボイラーの全撤去を始めとする機関全体の大幅な軽量化によって、後述の水線下防御に割り当てられる重量の増大にも寄与する事となった。



◇防御◇


 本艦は46センチ砲搭載艦でありながら、超大和型戦艦をベースとしている為に対51センチ砲防御の重装甲を有している。


 二〇度の傾斜角で装着された本艦の舷側主甲帯は元々、四一〇ミリのVH鋼板に一〇〇ミリのVH鋼板を貼り足して二枚合計で五一〇ミリ鋼板とする構造だったが、これは改修の際に敢えて一枚構造の五一〇ミリVH鋼板に置き換えられている。水平防御は中甲板の中央部が二三〇ミリのMNC鋼板と、傾斜した外舷部が二五〇ミリのMNC鋼板となっており、最上甲板にも五〇~四〇ミリのCNC鋼板が広範囲に貼られている。


 主甲帯下部の艦底まで伸びる二四〇~八〇ミリの魚雷防御隔壁に関しても、史実の大和型が主甲帯と魚雷防御隔壁とで取り付け傾斜角が異なっていた為に、角度がずらされた装甲の接合部が水中防御構造の弱点となっていた事を考慮して、本艦では主甲帯と同様に二〇度の傾斜角で装着されている。ヴァイタルパート部に限らず本艦の艦底は極めて広範囲に渡って三重底構造とされており、現代水準にまで強化された注排水能力と相まって鉄壁のダメージコントロール能力を実現した。


 艦橋直下の中甲板区画を大改装して新設した、従来のCICに旗艦用指揮所FICの機能を統合・包括させた「FICIC」と呼ばれる本艦独自のCICには、VHやMNCとは異なる材質の超高張力鋼による装甲が側面四〇〇ミリ・天蓋二〇〇ミリの厚さで施されている。VHやMNCが施された他の箇所に比べて、単純に厚さだけで見れば対51センチ砲防御としては一見脆弱に見えるも、現代技術に基づいた強固な鋼材の使用により司令塔――現在は単なる予備操舵室――とほぼ同等の強度を確保した。


 ただ逆に言えば、CICに施す装甲をこの様な形にせざるを得なかったのは、中甲板以上の高さに小規模ながらも新たな装甲区画を設ける事によって、艦の重心が上昇してしまうのを最小限に抑える為の苦肉の策でもあった。最もCIC部の装甲は艦の構造部材を兼ねているので、これによっても重心の上昇は然したる問題のない程度に抑えられている。


 更に本艦の防御における特筆すべき点として、主甲帯・魚雷防御隔壁・砲塔・CIC・司令塔/予備操舵室といった枢要箇所の装甲の内側には、被弾時の内部剥離防止用として二〇ミリのケブラー板が貼り足されている。このケブラーの内貼りによって、被弾時の衝撃で装甲の破片が内部飛散する現象から艦内を保護する様になっている。



◇その他◇


 上述した以外にも本艦には、現代艦の技術を生かした様々な改修や設備の増設が施された。例えば両舷の水線下にはフィン・スタビライザーが増設されており、これによって航行時の横揺れを防止し荒天時の安定性も増しただけでなく、IBACSとも連動して主砲射撃中の艦の動揺を抑える役割も果たしている。


 この他に外観の変化として船体の舷窓が上甲板区画のみとなった。これは後述の艦内空調の大幅な改善によって、浸水対策上大きな不利となる中甲板区画以下の舷窓が不要になった為である。


 統合電気推進の恩恵の一つとして真水造水装置の搭載も挙げられる。これによって海水から逆浸透膜で塩分を取り除き、電力の許す限り真水を生成して浴室のシャワーや厨房に供給出来る様になった。但し浴室の浴槽やトイレの洗浄水は海水のままである。


 電力の余裕によって艦内の居住環境や空調事情も劇的に改善された。元々は艦橋や居住区のみだった冷暖房は艦内の全区画に完備されており、各種防毒設備も本格的な対NBC想定の物にアップグレードされている。各種食糧を貯蔵する冷蔵庫や冷凍庫も当然最新式の物になっただけでなく、アイスクリーム製造機や火災消火用の炭酸ガス発生装置を転用したラムネ製造機といった嗜好品の製造設備もより充実した。


 厨房にある炊飯釜や大鍋といった調理器具は本来、ボイラーから供給される蒸気を使って加熱調理を行う物が主だったが、本艦ではボイラーが撤去された事から、ガスタービンの排熱を再利用したコジェネレーションによる蒸気を使う器具と電気加熱式の器具が併用されている。他にも厨房には野菜切りや挽肉が可能な合成調理機に、食器洗浄・消毒機といった様々な機材が備わっている。


 本艦はアリーナが座乗するCFの総旗艦であると同時に、アトランス帝国の貴族であるサフィールス辺境伯家の私有艦でもある。その為、アリーナの居室である司令長官公室・艦長室・士官居住区などが集中する上甲板区画には、それらとは別に賓客をもてなす目的も兼ねて複数の貴賓室が設けられており、貴賓室内の調度品はいずれも帝国貴族御用達として名高い一級品がアリーナの手で徐々に揃えられていった。


 そして上甲板区画には貴賓室以外にも、アリーナに同行を申し出たサフィールス家に仕える武装メイド達の控室や居室があり、八洲は実用的な戦闘艦でありながら洋上の貴族の屋敷としての機能も兼ね備えている。

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