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砂の海で  作者: とろろ昆布
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砂海

まだ、誰も帰ってこないのだ。



この砂の海は未だに誰もが全てを分かりきっていない暗黒の海なのだ。私の目の前に見えるのは砂と青い空だけなのだ。

人々は思っている、もし、海の様に続く水平線の向こうには、とある陸地が存在し我々の新たな時代の始まりであろうと。

そして、 人々は陸地を目指してこの砂の海をして渡ろうとしていた…のだが、誰一人帰ってくることはなかった。誰一人帰ってくることはなかったのだ。

人々はその事に恐怖を感じた。もしかすると、この目の前に広がる海は全て化け物ではないのか?と…。

この海に飛び込んだ人は全て呑み込まれてしまったのではないか?

人々は目の前に広がる海に近づかなくなった。

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