5.ステータスが表示されます!
他の本も見てみたところ、すべて日本語で書かれているようだった。
ほんとに感謝だよ、ゲーム世界。
これで文字読めないとかだったら挫折してた。
あと、喜ぶべきことがもう一つ。
さっき見たのはカレーのページだったけど、同じ本の他のページには肉じゃがとか味噌汁とかの作り方も載っていた。
まじか。
フランス料理みたいなのしか食卓に出てこないから、日本食はないのかと思ってた。
醤油も味噌もあるなんて…
感動!!
今度絶対、醤油を垂らした卵かけごはん食べるぞー!
は!
本来の目的から離れるところだった。
図書館とかで探し物してる時って、ついつい他の本に目がいっちゃうんだよね。
さてさて、お目当の本はどこかなー。
どこかにはあると思うんだけど…。
6歳児の体はなにぶん小さいので視界が狭くて探し辛い。
背伸びをして上の方の棚を見ながら歩いていると、足下に落ちていた何かにつまづいて転んでしまった。
いたたた…
もう!
こんなところに物、置いとかないでよね!
ホコリのかぶったそれは、ボールのような丸いものだった。
また転んでも危ないので拾おうと手を触れた瞬間…
『…ピピッ…。ステータスを読み取ります。……読み取り完了しました。……ステータスを表示します。』
突然、球が光り出しそんなことを言い始めた。
え、なに?
ステータス?
読み取り?表示?なんのこと?
混乱している私を無視してその光る玉は壁に何かを映し出した。
カルヴァート・クラリス
レベル 1
性別 女
年齢 6
スタミナ 10
HP 50
MP 50
攻撃力 3
回復力 60
コスト 8
潜在スキル
体力譲渡
魔力譲渡
獲得スキル
なし
え、なにこれ?
もしかしなくても、これって私のステータスなの?
ここがゲームと同じ世界だってわかってたけど、なんかより実感したよ。
せっかくなので、見てみよう!
えーっと、まずはレベルだけど…1なのか。
転生者はなぜか最初からレベルMaxってことあるけど、私はそのパターンじゃなかったのか。
残念。
ていうか、他の項目もいいやつ全然ないじゃん!
攻撃力3ってなに?
基準が分かんないけど、低すぎでしょ!?
スキルも2つだけで、一見したところ、すごい感じはしない。
…かなしい。
転生者って無条件にチートなんじゃないの?
根拠のない自信を持ってたけどなにもなかったなんて…。
でも、あきらめないんだから!
絶対攻略方法を見つけてやる!
前世にプレイした時だってレベル1からのスタートだったもんね。
それに、このゲームは、妖精のレベルを上げていくことでストーリーを進めていくタイプのものだったから自分のステータスというものは存在しなかった。
だから、別にそれが低くても問題ないのかも。
レベルとスタミナだけは、あったけど…
よし、当面の目標はスタミナを上げていくことにしよう。
そうと決まれば、その上げ方を探さなきゃ。
実は最初からこの書庫には、ゲームとこの世界の相違点と攻略方法を探しに来ていたのだ。
本来の目的を忘れてショックを受けて帰っちゃうところだった。
書庫をうろうろしていると、何やらそれらしい本を見つけた。
『ステータスについて』
さっそくスタミナの上げ方を見てみると…
『スタミナの上げ方。レベルアップの際に増加します。』
あ、そういうシステムなんだ。
じゃあ、レベルアップの方法は…
『スタミナが増加の際にレベルアップします。』
なんというエンドレス!!!
まだ、イケメンいなくてすみません。もうちょっとしたら出てくる予定です。あと少しだけ、主人公の1人舞台にお付き合い下さい!