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1.前世、思い出します!



「さあ、始まりました!待ちに待ったフェアリークイーントーナメント!一体、誰が“女王”の称号を手にするのでしょうか!?」




 会場にアナウンスが響き渡る。

 今、わたしはすっごい大きな競技場みたいなところにいる。

 わたし、知ってるよ!

 こういうところ、コロシアムって言うんでしょ!

 お兄様に教えてもらったんだ。

 大会の出場者としているのかって?

 ううん、違うよ。

 だって、わたしまだこの前6歳になったばっかりだもの。

 大会に出れるのは10歳からなんだって。

 今日は、わたしがいつもお留守番ばっかりなのにいい子にしてたからお父様とお母様がつれてきてくれたの!


「クラリス、すごく大きなコロシアムだろう。この国で最大級の建造物なんだぞ。初めて来て驚いただろう。」


 お父様がちょっと興奮した感じで話しかけてきた。

 お父様もすごい楽しそう。


 …でもね、お父様。

 大きさにはびっくりしたけど、ここ、ほんとに初めて来たのかな?

 なんか、前にも来たことがあるような気がするの。

 でも、思い出せないな。

 なんだったっけ?


 わたしは、少しモヤモヤした気持ちのままコロシアムの観客席に座った。

 あ、やった!

 右にお父様、左にお母様、真ん中にわたしの特等席!

 座るところが段になってるから小さいわたしでもちゃんと見れる。


「出場者の入場です。どちらもバランス型と有利、不利はないようです。では、さっそく始めましょう。ミュージックスタート!!」


 司会者の声で音楽が流れ出す。

 出場者の2人はわたしより10歳くらい大きそうなお姉様。

 大会のルールは難しくてよく知らない。

 このお姉様達の歌の勝負なのかな?

 すると、2人はなにか宝石のようなものを取り出した。


「出でよ!我がフェアリー!」

「出てきなさい!私の妖精達!」


 それぞれの声に応えるように各4人ずつのお兄様達が何処からともなく現れた。





 …と、同時にわたしは激しい頭痛に襲われた。

 いたい、いたい!

 頭が弾き飛びそう!

 脳が中から押されているみたい。

 そして、いっきに大量の記憶の情報が流れ込んできた。





 え、なにこれ…

 突然得た情報の波に酔い、混乱する。

 そして、その圧力に耐えられなくなった6歳児の体は椅子から崩れ落ちる。


「クラリス!?どうしたの!?しっかりして!?」


 お母様の声が聞こえる。

 いつも聞いているはずなのに、この一瞬で随分長い間聞いていなかったような感覚になった。






 なぜなら、私は前世の記憶をこの一瞬の間に経験し、取り戻したからだ。






 そして、この世界が前世に私がプレイしていた乙女ゲームの世界だということに気づいてしまった。






はじめまして!雫まりもです。よかったら、これからも読んで頂けると嬉しいです。よろしくお願いします!

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