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練習

 大会まではニ週間。世界中から腕自慢達が集まってくる。しかも剣士だけではない。おそらく、魔法使いやアーチャー、様々な奴らとやり合うことになるだろう。中には、護みたいなタイプの奴もいるかもしれない。そう考えると護との練習は都合が良かった。護はかなり特殊な部類に入るが、魔法剣士であったので大体の相手と想定した対戦ができる。


 次の日から練習は始まっていた。ストロベリーの裏手に広がる草原で、ほとんど実践を模した形式でやる。思った通り、霞はかなりレベルが高い。護は剣をさばきながら確信していた。ゴブリンとやり合ったときの動きを見てただ者ではないと思っていたが、ここまでとは。レベルからいったら劉と同じぐらいか、もしかするとそれ以上じゃないか?とても彼女が王女様だったなんて思えない。護は考えながらクスッと笑った。


「何を笑っている?」


 攻撃しながら霞が尋ねる。


「いや、なんでもないよ。こっちの話さ。そらっ!」


 護は答えながら霞の剣撃を避け、その力を使い霞を吹き飛ばす。合気の手法である。霞はすぐさま体制を立て直し、次なる攻撃に備えるため剣を構えた。判断は正しい。しかしまだ動きが甘い。すぐに上下左右から護の唱えたウィンドアローが迫っていた。こうなると後ろに下がるしかない。瞬時にバックする。


「くっ!」


 かろうじて魔法を避けるが、飛んできた方向にいるはずの護の姿がない。一体どこに?そう思った途端背中に堅いものが当たった。


「ざ〜んね〜ん。こんな初歩的な罠に引っかかってるようじゃだめだよ。もっと相手の先の先を読んで動かないと」


 後ろから護が剣を当てアドバイスをする。 


「ふぅ、分かってはいるのだが、動きについていけない」


「霞は動きもかなり速いし、とっさの判断も申し分ない。でも、ちょっとした小細工や目先のことに捕らわれすぎているよ。素直で正直な剣で良いとは思うけど、それじゃだめなことが実戦では多いから」


「うーん」


「動きについていけないんじゃなくて、一つのことに集中しすぎてるのさ。型にはまった剣技っていうのかな。戦いでは常に広い視野で動かないと。いわば相手との読み合いだからね」


「私の戦い方は、だめなのだろうか?」


「だめというか、読みやすいんだよ」


「そうか」


 少し落ち込んだようである。護はすぐにフォローした。




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