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二人は馬を厩舎の陰に残し、雪に覆われた村外れの林へと足を向けた。
吹き溜まりを避けながら進み、やがて木々の奥に隠した車の黒い影が見えてくる。
車体は雪をかぶり、枝で覆い隠したままの姿でそこにあった。
ヴァルターは周囲を一度見回し、そっと運転席の扉を開ける。
その瞬間、冷たい金属が喉元に押し当てられた。
「Стоять.」
低い声。
聞き覚えのある抑揚だった。
暗がりの中、周囲に数人の影がいる。
目が慣れるにつれ、ヴァルターはその中の一人を見分けた。
――中尉。
「По данным проверки, связь с товарищем Громовым прервалась несколько часов назад. Его охрана тоже пропала.」
中尉は銃口を逸らさず、わずかに顎を上げた。
「Говорят, он покинул пост с двумя незнакомыми бойцами. У вас нет объяснений.」
座席に伸びた指先が、シートの黒ずんだ染みをゆっくりなぞる。
ヴァルターは喉を鳴らし、息を整えようとした――そのとき。
背後でわずかな気配が動いた。
フリンツ――そう理解した瞬間、
乾いた銃声が林に弾けた。
一発。
続いて、間を置かずに二発。
フロントに血が飛沫き、重く湿った衝撃が車体を揺さぶる。
ヴァルターは動けなかった。
背後は見えない。
ただ、静寂だけが広がる。
中尉がゆっくりと、ヴァルターの肩に手を置いた。
手は驚くほど静かで、冷たかった。
END




