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灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


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75/108

p69 完全日本語版

トランクには、工具やロープの類が乱雑に積まれていた。

ヴァルターが中からシャベルを引き抜くと、金属の刃が鈍く光った。

小銃を向けるフリンツの視線を背に、ヴァルターと人民委員の男は護衛の死体を

木立の奥へと運ぶ。


湿った土の匂いが濃く、踏みしめるたびに落ち葉が湿った音を立てた。

男は無言のまま、血に染まった制服を泥に擦りつけながら死体を引きずった。

肩で荒く息をし、額の汗と血が混じって頬を伝う。

その姿に、先ほどまでの威圧感は微塵も残っていなかった。


男がシャベルの刃を凍った地面に突き立てるなか、フリンツは木の幹にもたれ

煙草に火をつけた。


「やつはどうする?」

護衛の持っていたカービンを構えたまま、ヴァルターが聞いた。


「さあ……生かしといた方が、検問はやりやすいかもしれんが」

フリンツは、どこか遠くを見るように煙を吐き出した。


シャベルが硬い根にぶつかり、金属音が響く。

男は汗を拭いながら、掘り進めようとするが、進まない。

フリンツが煙草を地面に捨て、靴で踏み消した。


「もういい」

そう言って立ち上がると、男に向かって言った。

「服を脱げ」

「な、なぜ……」

「脱げ」


男は震える指で外套の留め具を外し、泥にまみれた布を足元に落とした。

冷たい風が吹き抜け、肩が小刻みに震える。

制服のボタンに手をかけるが、かじかんだ指先が思うように動かない。

一つ外すたびに、白い息が荒く漏れ、胸が上下する。


「俺は……」

声はかすれ、喉の奥で途切れた。


やっとのことで上衣を脱ぎ捨てると、薄いシャツ一枚の体が露わになった。

胸を両腕で抱き抱え、跪く罪人のように身を縮める。

「……俺は、無理やり徴兵されたんだ。共産党なんて大嫌いだった」


フリンツは黙ったまま、その白い吐息を見つめている。

下着になった男の脚は土の冷たさに震え、膝ががくがくと揺れた。

胸を押さえ、唇を噛みしめながら、声を絞り出す。


「一緒に……ベルリンに連れてってくれ。寛容な街だ。

黒人にも……ユダヤ人にも……同性愛者だって」


乾いた銃声が木立に響いた。

男の体は崩れ落ち、護衛の死体に折り重なった。

フリンツはしゃがみ込み、男の上着の内ポケットから身分証を抜き取る。

「使えるな」

そう言って上着をたたむと、車へ歩き出した。







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