表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

70/108

p65 完全日本語版


窓の向こうに、負傷兵を乗せたトラックの列が見えた。

荷台には毛布にくるまれた兵士たちが横たわり、呻き声が冷たい風に流れていく。

護送の兵士たちは疲れ切った顔で銃を抱え、進んでいる。


「今だ」

フリンツは外套の襟を立て、ヴァルターとともに荷台の影へと身を滑り込ませた。

二人は毛布を引き寄せ、負傷兵の間に紛れ込む。

血と薬品の匂いが鼻を刺し、呻き声に混じって二人の呼吸もかき消された。


誰かが気に留めた様子はなかった。

遠くで鳴り響く砲音をよそに、ただただ後方へ向かおうとする兵士たちの流れに

身を委ね、荷台の揺れに体を沈める。


不意に一人の下士官が荷台をのぞき込んだ。


鋭い目が二人をとらえ、怪訝そうに眉をひそめる。

「おい、そこの二人。顔を見せろ」


「顔を見せろ、と言ってる。しゃべれないふりをしろ」

フリンツは小声で告げ、フードを外して顔を上げる。

額に血の滲んだ包帯を巻いていたが、下士官の視線は鋭さを増した。


「名は? 所属はどこだ?」

問い詰めるような声に、周囲の兵士たちの視線が集まる。

ヴァルターは外套の内ポケットから奪った軍隊手帳を差し出した。


下士官はそれを受け取り、ページをめくる。

数秒の沈黙ののち、彼の顔に冷たい笑みが浮かんだ。

「リュボフ、か。可愛らしい名前じゃないか」


次の瞬間、銃口が二人に向けられた。

兵士たちがざわめき、列は足を止める。


「待て、誤解だ。我々は――」

フリンツの声は最後まで続かなかった。


乾いた銃声が響き、視界が揺れ、地面の冷たさが頬に伝わる。

兵士たちの怒声が遠ざると、やがて闇が覆いかぶさった。


END



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ