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灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


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60/108

p59

建物の周りを回るうち、やがて壁際に勝手口らしき取っ手を見つける。

ゆっくりと開いた扉の向こうは、広い調理場になっていた。


中に入ったヴァルターたちが向かったのは、流し台だった。

蛇口をひねり、流れる水をしばらく見つめた後、1人目が手で受け、匂いをかぎ、そのまま口をつけた。

「どうだ」という問いかけにも答えず、兵士は水を飲み続ける。

それを見て、ヴァルターたちも各々水を口に運び始める。


人心地がつき、改めて周囲を見渡した。

壁際の棚や抽斗は湿気で歪み、煉瓦造りの土台には、重い蓋をのせた巨大なスープ釜が、使われなくなった浴槽のように並んでいる。



兵士たちは、手分けして厨房を探り始めた。

棚や抽斗の取っ手を引いて奥まで覗き込むが、埃をかぶった食器の他にめぼしいものは見当たらない。

やがて壁回りを見終えた一人が、スープ釜の蓋に手をかけた。


その時、隣の釜の蓋がわずかに持ち上がり、黒い銃口が覗く。

――轟音。

散弾銃から放たれた鉛の礫が、顔面を至近距離で粉砕した。

悲鳴を上げる暇もなく、崩れ落ちる(からだ)


「撃てッ!」


怒号と共に、激しい金属音が響き鉄蓋が跳ねる。

だが、影は壁際のダストシュートへ吸い込まれるように身を投げた。


3人目がシュートの投入口へ駆け寄り、暗がりに銃口を向けたまま動きを止める。

金属製の通路内には、鋭利に研ぎ出された鉄筋が、交差するように溶接されていた。


「……ここを、降りやがったのか?」


呟きが、赤黒く(ぬめ)った通路に響いた。


→P.62

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