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灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


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p6

ヴァルターは、崩れかけた階段の脇を登って一階へ戻った。

砲音は続いていたが、家の中は静まり返っている。


廊下の奥に、もう一つ部屋があった。

扉は半ば外れ、床にはガラス片と紙屑が散らばっている。

彼は足音を殺しながら中へ入った。


部屋には、脚の折れた机が残されていた。

天板は傾き、上には紙屑、ライター、折れた鉛筆が散乱している。

引き出しは開け放たれ、内側には破れた封筒と、インクの染みた布切れ。


ヴァルターは壁の収納棚に手をかけ、ゆっくりと扉を開けた。

中には、毛布と薄汚れたシーツ。


壁の隙間にも手を伸ばしたが、冷たい煉瓦と埃しか触れなかった。

机の裏、椅子の座面、床板の割れ目──どこにも地図やコンパスのようなものは見当たらない。

この家が何かの拠点だったとしても、記録は持ち去られたか、最初から存在しなかったのかもしれない。


窓は割れ、外の灰色の空が覗いていた。

風が吹き込み、部屋の空気が冷たく揺れる。


もう得られるものはなさそうだ。

ヴァルターはコートの襟を立て、階段を下りた。


→P.16


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