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灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


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57/92

p56

ヴァルターはフリンツを背負い、梯子(はしご)に足をかけた。

鉄の棒は冷たく、二人分の重みで軋む。

金属音が通路に反響し、息遣いと衣擦れが重なった。


梯子をきしませながら、頭上に見えた鉄蓋の取っ手に手をかけ、力を込める。

「ギギ……」と金属が(うめ)き、冷風が一気に流れ込んだ。

夜明け前の薄明かりが縦穴を照らし、灰色の光が二人の顔を照らす。

外の空気は凍りつくように冷たく、瓦礫の匂いと焦げた煙の臭気が混じっていた。


ヴァルターは蓋を押し上げ、わずかに開いた隙間から外を覗いた。

崩れた建物の影が長く伸び、空は鉛色に染まり始めている。

その静寂を破るように、廃墟の向こうから鋭い声が飛ぶ。

銃声が響き、梯子の縁に火花が散った。


ヴァルターは反射的に上体をひねり、出口の蓋を引き下ろした。

鉄板が「ガシャン」と閉じ、外光が遮られる。


だが、その衝撃と二人分の重みで、老朽化した梯子が悲鳴を上げた。

「ミシッ……」と嫌な音が響き、次の瞬間、鉄の棒が折れた。


ヴァルターとフリンツの身体は支えを失い、闇の中へと落下する。

背中に衝撃が走り、頭蓋に鈍い痛みが広がった。

最後に聞こえたのは、鉄片が崩れ落ちる音だけだった。


END

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