表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/131

p49

割れた窓から、冷たい風が部屋に吹き込んでいた。

見張りの兵士は、肩をすくめながら身を縮め、寒さに顔をしかめる。

それを見ていたソ連兵が、何ごとか話しかけた。


見張りはちらりとこちらを見たが、特に警戒する様子もなくうなずいた。

ソ連兵はゆっくりと立ち上がり、暖炉の方へ向かう。


その瞬間を、ヴァルターは逃さなかった。

懐から発煙筒を抜き取り、手早くキャップを外す。

摩擦板に親指をかけ、息を殺して一気に引いた。

「シュッ」と乾いた音がして、筒の先端が赤く光る。


(頼む、気づかれるな……)


窓際に身を寄せ、風の音に紛れるようにして、

発煙筒を外へ放った。


だが――


「ボンッ!」


思いのほか大きな破裂音が、静まり返った朝の空気を裂いた。

赤い煙が、瞬く間に窓の外へ立ちのぼる。


見張りが振り返り、銃口がこちらに向けられる。

発砲音が、部屋の空気を引き裂いた。


ヴァルターの身体が、ベッドの上で跳ねた。

視界が一瞬、白く弾ける。


何も感じなかった。

ただ、遠ざかるように音が消えていく。


最後に見えたのは、

暖炉の前で立ち尽くすソ連兵と、窓の外に立ちのぼる、赤い煙だった。


――すべてが、静かに途切れた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ