表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/108

p47


「 走れ!」

将校の怒声が背中を叩く。ヴァルターは思考を放棄し、ぬかるむ土を蹴った。


眼前に迫るのは、巨大な裂け目のような対戦車壕だ。

底には雨水が溜まり、先んじて命を落とした兵士たちの軍服が泥にまみれて浮いている。


ヴァルターは勢いそのままに斜面を滑り降り、対岸の壁に爪を立てて這い上がる。指先に食い込む泥の感触だけが、自分がまだ生きていることを実感させた。


壕の縁を越えた瞬間、吐き出されるMG34機関銃の弾丸が、懲罰兵たちの体を次々と引き裂いた。遮蔽物のない開けた平原。そこはドイツにとって格好の「射撃場」だ。逃げる場所も、隠れる穴もない。


ヴァルターの瞳に、IV号戦車の黒ずんだ砲口が大きく開いた。

直後、視界が真っ白な閃光に塗り潰される。


音は聞こえなかった。

ただ、凄まじい衝撃が全身を貫き、内臓を、骨を、そして意識を、一瞬にして熱い塵へと分解した。


泥の中に沈んだ軍靴だけを残し、ヴァルターの存在は、クルスクの黒い大地の一部へと還っていった。


END

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ