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灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


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46/131

p45

蒸気の噴き出す裂け目から少し離れた場所に、二人は身を伏せた。

外套を濡らして顔を覆い、熱気と霧をやり過ごす。

蒸気の白い幕が視界を遮り、近づいても姿は見えそうにない。


やがて、光が霧を切り裂いた。

懐中電灯の輪が揺れ、兵士の影が通路に浮かぶ。

蒸気管の切れ目から、かすかな光と暖かい湯気がわずかに流れ込む。

その脇、濡れたコンクリート床と窒息しそうな湿気のなかで息を殺し待つ。

壁を伝い、ナイフのグリップを確認する。

耳を澄ますと、向こうからソ連兵の足音とこすれ合う装備の鈍い金属音が、

狭い通路を近づいてくる。


“今だ”。


物音ひとつ立てず影から跳びかかる。

ナイフで脇下から刃を深く差し込み、左手で口元を覆いながら、体重をかける。

相手は反射的に動こうとするが、喉を締めあげられ、声は壁に吸い込まれる。

数秒だけ冷たいもがきが続き、その体が弛緩し床に沈む。


脈を確かめてから、装備を引き剝がす。

毛皮コートは想像以上に重いが、裏地の羊毛の感触が冷え切った胸元に驚くほど

効いてくる。


呻き声に振り返ると、フリンツの肩口から血が流れていた。


「動いた拍子に……」

言いながら袖口でナイフを拭う。

「傷口が開いただけだ。まだ動ける」


ヴァルターは頷き、フリンツの肩に手を伸ばした。


「動くな」


濡れた布で血を拭い、手早く包帯を巻き直す。

裂けた箇所を締め上げると、フリンツは小さく呻いたが、顔をしかめただけで

声は出さなかった。


「これで持つ。行けるか」

「ああ」


蒸気の残る通路は薄暗く、足元には濡れた配管と瓦礫が散らばっている。

二人は互いの気配を確かめながら、慎重に通路を進んだ。



暗闇を押し分けるように奥へと進んでいたその時──

乾いた音とともに、回していた電灯のハンドルが折れた。

光は一瞬揺らぎ、次の瞬間には完全に消え失せた。


闇が押し寄せ、鼻を刺すようなガスの匂いが濃くなる。

呼吸をするたびに喉が焼け、胸が重くなる。

ヴァルターは咳き込みながら壁に手をついた。

フリンツも顔をしかめ、低く呟く。

「……このまま進めば迷う。光がなければ出口は探せん」


通路は複雑に折れ曲がり、番号も矢印も見当たらない。

壁際には崩れかけた瓦礫が積み上がり、触れれば崩れそうな気配がある。


-匍匐前進で進む→P.48

-壁に手を置いて進む→P.51



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