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灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


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45/131

p44 完全日本語版

「おい、起きろ」


濁った声と共に、こめかみを小突かれる。


まぶたを押し上げると、逆光の中に黒い銃口が浮かんでいた。

ベッドを囲むのは、野戦灰色の外套に身を包んだドイツ兵が五人。


既に東の空が白み始めていた。

案外、ぐっすり眠れたものだ。そんな場違いな思考が脳裏をかすめる。


「所属と名前を言え」

一人が詰め寄ってきた。

恐らくロシア語だろう。

さっぱりわからない。


ヴァルターは怯えきった振りをしながら両手を突き出し、「あー、うー」と、言葉にならない動揺した叫びをあげた。


「質問に答えろと言っているんだ!」

激昂した拳が視界をよぎる。衝撃。


唇が切れ、鉄の味が口内に広がった。

わざとらしく頭を抱え込み、子供のような嗚咽を漏らす。

どれだけ痛めつけられようが、やめるわけにはいかない。


力任せに顔を上げさせようとする兵士の手を、後ろに控えていた軍曹らしき男が制した。

「もういい。時間の無駄だ、連れてこい」


吐き捨てるような命令に合わせ、すっかり家主の格好になったソ連兵が引きずり出される。


兵士は不安げにこちらを見つめていた。

視線を合わせたまま、何かを問われるのを待っているようだったが、やがて小さく口を開いた。

低く、抑えた声で何ごとか答える。


「そいつは口がきけないそうです」


先ほどヴァルターを殴った兵士が、通訳のように言った。

「自分のいとこで、脱走してきたのをかくまったそうで」


「イワンのやりそうなことだな」

別の兵士が鼻で笑い、他の数人もつられて笑った。


軍曹だけは笑っていない。

無言のまま、ヴァルターをじっと見据えている。


そのとき、部屋の外から別の兵士が入ってきた。

「隊長、これ」

手にした酒瓶を掲げる。

「地下にありました。食糧庫になってます」


その言葉に、部屋の空気が変わった。

兵士たちの目が一斉に輝き、ざわめきが広がる。


軍曹は舌打ちし、

「見張ってろ」と短く命じて、

一人の兵士を残して部屋を出ていった。

他の兵士たちも、ぞろぞろと後に続く。


部屋には、銃を肩にかけた若い兵士が一人。

壁際に立ち、ちらちらとこちらを見てはいるが、その視線の多くはソ連兵に向けられ、ヴァルターの方は、あまり警戒されていない様子だ。



- 見張りを無力化し、地下室の扉を閉じる →P.53 

- すきを見て発煙筒を暖炉に投げ込む →P.49 

- 下手に動かず、様子を見る →P.57 




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