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灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


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16/108

p16

ヴァルターは棚に残された缶詰を三つ、乾パンを数枚、慎重に選んで詰めた。

ポケットとコートの内側に押し込み、重さを確かめる。 これで、数日はもつかもしれない。


地下室の空気は湿っていた。

死体の匂いが、壁の隙間から染み出していた。


外ではまだ砲撃が続いている。

だが、音の間隔が広がってきた。 今なら動ける。


ヴァルターは崩れた階段の縁をよじ登り、再び街路へ出た。


雪は砲煙を吸い込み、灰色に濁っていた。

空気は冷たく、耳の奥で鼓膜が軋む。


どこかで叫び声が上がった。

砲撃は一時止んでいたが、遠くで銃声が断続的に響いている。


地下の湿った空気。

死体の匂いとともに、わずかに流れる風。

ある考えが、ヴァルターの頭を(よぎ)った。


街路を進みながら、煙の流れと建物の並びに目を凝らす。

建物の密度が急に途切れている。


煙が低く流れ込んでいるのは、広い空間がある証拠だ。

操車場か、倉庫群か。


確信はなかった。

だが、戦場で何度も見てきた地形の兆候だった。


ヴァルターはその方向へ足を向ける。


倉庫の裏手に回ると、砲撃で崩れた壁の隙間に、鉄製の点検口が露出していた。


錆びた蓋を開けると、下には保守用の通路が続いている。


蒸気管、ケーブル、排水路。


通路は複雑に分岐していた。

一部は崩れ、一部は水没している。


ここなら、包囲線の下を抜けられるかもしれない。

ヴァルターは梯子(はしご)を見つめた。


- 地下に降りる →P.17

- やめて別の道を探す →P.7


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