表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/92

p12

ヴァルターは古びたシーツを裂いて帯状にした。

傷口に押し当て、圧迫する。

血はまだ滲むが、何もしないよりはましだった。


兵士が目を開けた。

濁った瞳が、こちらを見ている。

何かを言った。

声はかすれていて、言葉はわからない。

驚いているのか、怒っているのか、判別がつかない。


ヴァルターは処置を終えると、ゆっくりと手を離し、背負っていた鞄を開けた。

缶詰と水筒を取り出し、兵士の前に置く。

兵士は動かない。

視線だけが、じっとこちらを追っていた。


ヴァルターは缶詰を開け、自分で一口食べてみせてから、相手に差し出す。

兵士はしばらく動かなかったが、やがて、震える手で缶を持ち、ちびちびと口に運んだ。


最低限のやりとりは、身振り手振りで行った。

布を変えるとき、ヴァルターは手で「見せろ」と示す。

兵士は黙ってズボンをずらした。

傷はまだ深く、だが出血は収まりつつある。




翌日。早くも食料が底をつき始めた。

ヴァルターは周辺の建物を探してみたが、都合よく見つかるものはなかった。


仕方がない。

最初のあの地下室なら、運びきれなかった食料が、まだ残っているかもしれない。

幸い、ここから距離も遠くない。


荷物をまとめていると、兵士が身を起こした。

ヴァルターは空の缶詰を見せ、手で「すぐ戻る」「ここで寝ていろ」と示した。

兵士はじっと見ていた。

意図は伝わったように思えた。


だが、建物を出ると、やはり後からついて来ようとする。

当然、足元はまだおぼつかない。


ヴァルターはため息をつき、彼を背負った。



何とか地下室のある建物までたどり着いた。

瓦礫を踏まぬよう、慎重に足を運ぶ。

扉は半分崩れかけていたが、まだ開いた。


軋む音とともに扉を押し開ける。

その瞬間、室内にいた男が振り向いた。


ドイツ兵だった。

灰にまみれた軍服、肩にかけたカービン銃。

ヴァルターも動きを止めた。

兵士も、こちらを見たまま動かない。


-銃を抜いて撃つ →P.15

-話しかける →P.14


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ