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ヴァルターはスパナの口をナットにかけ、息を詰めて一気に力を込めた。
……動かない。
腕に力を足し、さらに押し込む。
だが、金属のわずかな軋みすら返ってこない。
まるで配管そのものと一体化したように、ナットは沈黙したままだった。
(くそ……完全にくっついてるな)
スパナの角度を変え、もう一度力をかける。
だが、固着した錆が抵抗し、スパナの口がナットの角からふっと外れた。
金属が滑る乾いた感触が、手袋越しに嫌なほど鮮明に伝わる。
(時間がない……どうする)
ヴァルターはスパナを握り直しながら、床に広げた工具へ視線を落とした。
-ノコギリでナットを切断する→P.101
-潤滑油を差してからスパナを使う→P.102




