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灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


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p11

割れ目の縁に膝をつき、必死に右手を差し出す。

相手は、凍てつく水の中で視線を泳がせ、救いを求めるようにヴァルターの手を掴んだ。


その手は、驚くほど重く、そして冷たかった。


「……っ!」


助け起こそうとした瞬間、ヴァルターの足元の氷が悲鳴を上げた。

先ほどの着弾で、周囲の氷板にはすでに無数の亀裂が入っていたのだ。


掴まれた手に全体重がかかる。抵抗する間もなかった。

靴底が氷の上を無情に滑り、ヴァルターの体は吸い込まれるように黒い水面へと引きずり込まれた。


衝撃的な冷たさが全身を襲う。

肺の中の空気が一瞬で凍てつき、心臓が激しく脈打った。

必死にもがこうとするが、水を吸った重い外套が鎖のように体を下へと引き寄せる。



水面の上では、街を焼く砲火の光がゆらめき、遠ざかっていくのが見えた。

やがて、指先の感覚が消え、視界の端からじわじわと闇が浸食してくる。


激しい震えはいつしか収まり、体温を失った脳に、奇妙な安らぎが訪れた。

川風の音も、遠い砲声も、もう聞こえない。



ヴォルガの冷たい抱擁の中で、ヴァルターの意識は深い深い眠りへと落ちていった。


END

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