表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰の街を越えて *AI執筆  作者: gramgram


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/131

p90

ヴァルターは、艦長の問いに静かに答えた。


「……考えているのは、ソ連軍への降伏です。

彼らの前線は近い。潜水艦なら接触の機会も――」


そこまで言ったところで、艦長の表情が変わった。

驚きでも怒りでもなく、話の前提が成立していないと判断した顔だった。


ハルトマン大尉は、机の端に置いた指を一度だけ叩いた。

乾いた音が、狭い艦長室に不自然なほど大きく響いた。


「……話にならん」


ヴァルターは反射的に立ち上がろうとしたが、銃口が迷いのない動きでヴァルターの胸元へ向けられる。

「抵抗するな。奴らに降伏すると口にした時点で、お前を自由にしてはおけない」


銃を構えたまま、空いた手で脇の伝声管を開けた。

金属の蓋が軽く鳴り、狭い室内に響く。

「当直、艦長室へ」


金属靴の音が床に響き、潜水艦の低い振動と混じり合って不気味なリズムを刻む。

ほどなく扉が開き、当直の下士官が二人入ってきた。

「こいつを隔離しろ。医務室の後部区画だ。上に報告する」


下士官の手がヴァルターの腕を掴む。

冷たい指の感触が、逃げ場のない現実を突きつけた。


「艦長……私は――」


言いかけた言葉は、艦長の短い一瞥で遮られた。


「もう何も言うな。お前は、ここでは毒にしかならん」


そのまま引きずられるようにして艦長室を出る。

扉が閉まる直前、ヴァルターは最後に艦長の横顔を見た。

そこには怒りも憐れみもなく、ただ冷徹な表情だけがあった。


END


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ