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間話 伝説:青い肌のディルクエルフ「シア・ヴァルシア」

本編に書くと、いろいろうるさくなるので、省いてる設定を間に挟んでいきます。

読み飛ばしても大丈夫です。

約3000年前、この世界には「青い肌のディルクエルフ」と呼ばれる希少な種族が存在していた。特に有名だったのが、青白い肌を持つディルクエルフの女性、**シア・ヴァルシア(Sia Valsia)**である。当時、ダークエルフは珍しい種ではなく、ディルクエルフも一定数存在していたが、青白い肌を持つ者はシアただ一人だったとされている。


シアは、他種族混合の血盟「星の梨園(Star Pear Orchard)」を結成し、その盟主として知られていた。「星の梨園」は、美しい梨の木々が生い茂る豊かな土地を象徴する名を冠し、エルフ、ドワーフ、人間、獣人など多様な種族が集まり、梨の木々のように調和し共存を目指していた。シアはその優しさと気遣いに満ちた性格で、多くの人々の心をつかみ、団結を促す要として機能していた。彼女の人望は揺るぎないものであり、その言葉に多くの者が魅了され血盟を支えていた。


戦いを嫌うシアだったが、人員の配置や戦術の立案に長けており、必要に応じて見事に指揮を執ることができた。彼女の手腕によって「星の梨園」は数々の戦いに勝利し、世界の大半を平和な支配下に置くことに成功した。彼女の統治下では戦争はほとんどなく、秩序と繁栄が保たれていた。この時代は後に「黄金の梨園」と呼ばれ、幸福と安定の象徴として語り継がれることになる。


しかし、ある時から徐々にその平穏は崩れていった。「星の梨園」の主要な人物が一人、また一人と理由もわからないまま姿を消していった。失踪の原因は不明であり、やがて血盟の要だったシア・ヴァルシア自身も忽然と姿を消してしまった。彼女が消えた後、「星の梨園」は解体され、世界の秩序は根底から崩壊し、混沌へと飲み込まれていった。


秩序を失った世界は絶望に満ち、人々は苦しみの中で耐え忍ぶ日々を送った。その時、世界を救うために現れたのが「神々」と呼ばれる存在だった。しかし、彼らは自らを「グラントマスター(Grand Masters)」、略して「GM」と名乗った。彼らはまるでゲームの管理者のように振る舞い、混沌とした世界を「調整」し、「修正」を行いながら、徐々に秩序を取り戻していった。


グラントマスターたちの干渉によって世界の混乱は収まりつつあったが、「星の梨園」の統治下の時代ほどの平和にはまだ遠かった。人々は厳しい生活の中で、シア・ヴァルシアの復活を熱望した。彼女が戻れば、かつてのような調和と豊かさを取り戻せると信じたのだ。


こうして、シア・ヴァルシアは3000年前の世界を統べた象徴として、そして失われた謎と希望の象徴として語り継がれ、人々の心に宿り続けている。彼女が再び現れる時、この世界は再び「黄金の梨園」のような栄華を迎えるのだろうと信じられている。


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