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宰相の娘  作者: 衣々里まや
13歳
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プロローグ

【あらすじ、媚びを→媚を】「よわい13にして人生詰んだわ」


わたしは誰も見ていないのをいいことに、豪快に寝台の上に倒れ伏した。


傍から見たらきっと陸にあがった魚のようだろう。実際に気分だけはまな板の上の鯉だった。


どうにでもなーれ、という捨て鉢な気持ちと、本当にどうにでもなったら死んじゃう、という焦りが交互に襲ってきて胸の中でせめぎあう。


物心ついたときから、ずっと自分の名前に奇妙な違和感があった。


少しずつ物を知るたびに、場所や人などなぜだか聞いたことのある固有名詞だなとは常々思っていた。でも結びつかなかった。


「だって、自分が前世で読んでいた小説の世界に生まれ変わっていたなんて、簡単には信じられるわけないじゃない……!!」


もう一度周囲に誰もいないのを確認して、クッションに八つ当たりしながら小さく叫ぶ。


違和感を覚える自分をごまかすように生きてきた。この世界に馴染もうと頑張っていた。


けれど、体内に残った棘のごとくそれは間違いなく存在を主張しつづけてきて、王宮に入ってからは特に加速し、ようやく今日、わたしはすべてをはっきりと思いだした。


テオドラ・ラノビア――つまりわたしは、この世界で仇敵の役割を与えられ、婚約者でもある主人公によっていずれ処刑されてしまうのだということを。

よろしくお願いいたします。

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