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使徒八家

 使徒とは教祖ワーレンに選ばれ、そう呼ばれた者のことだ。

ワーレン以下の使徒たちの経緯は様々である。


 ザーリア―の出自は誰も知らない。

教祖が放逐された後、何処かで彼らは出会い、ワーレンは彼を盟友と呼び導いた。

その右目は常に眼帯に覆われ、その下を晒すことはついぞ無かった。


 カドラスは騎士団の士族であった。

教祖追放以前からその教えに心服しており、ワーレンが追放されてすぐに自らも後を追って騎士団から飛び出した。


 セヴレイルは騎士団の貴族であったが、権力闘争に敗れ追われた。

その後唯一安堵されたシアレットの地で、教祖自らの導きを受け帰依した。


 ベルンフォードはセヴレイルと同じく、騎士団の貴族であったが、セヴレイルの誘いに応じて教団に服した。


 シュデースは医師団の都市の長だった。

ワーレンの教誨とセヴレイルの呼びかけを受け、自ら都市の城門を開いた。


 ヴェンリルは楽団の傭兵都市とその一帯を統べていた。

カドラスとの長年に渡る争いの末、その力を認められ教団に組み込まれた。


 ファラードもまた医師団の都市を統治しており、周辺の情勢を鑑みて、孤立を免れるため自ら教団への帰属を申し出た。


 彼ら八人をワーレンは使徒と呼び、それぞれの名を用いた家名を与え、使徒家と称した。


使徒家は常に協調し、尊重し、互いを認め合わなければならない。

その紐帯が失われた時に教団は滅びるであろうと、教祖ワーレンは言い残した。


 これら使徒の経緯は教団に引き入れられてから、シノレがいの一番に教わったことである。

生まれつきの教徒ならば、物心つくと同時に教わる常識だ。


そしてその他の、使徒にこそされなかったものの、教祖の時代からそれに帰依した者たち。

その子孫の家は、使徒家に継ぐ身分として尊ばれる。

往々にしてそうした者たちが、一般の教徒と使徒家の間を取り持っている。


 教団で生きるのなら使徒家の派閥に関わらないでいるのは不可能だが、八家それぞれ特色がある。

騎士団のみならず、楽団、医師団の者を取り入れ、間口を広げたことが多様性を生み、教団の拡大に寄与したのかも知れない。


 けれどディアにはそんなことはどうでも

いい。

それよりも注視しなければいけないことがある。


それこそが彼女を狂わす起源となった、最初の使徒ザーリア―だった。

鮮やかに脳裏に浮かぶ使徒たちの情景。

それは彼女自身の知識が作り出したものか、遠い過去の幻影か。

どちらにせよ、醒めてしまえば同じことだった。


「…………朝か……」


 シュデース家の長女ユ―レディアは、夢の底から覚醒する。

天井を見上げ、夢のことを思い、何故そんな夢を見たのか考えた後、久しぶりに外に出ることにした。


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