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虚と現  作者: 沙羅双樹
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王太子_18

領地を持つ下位貴族が上位貴族の庇護下につくのは

領地の魔力を補助してもらうためだ


もちろん、庇護をしてもらうために

忠誠という名の何かをそれぞれが上位者に差し出す


上位者たちに庇護する価値がない、と思われれば

結局、領地、すなわち爵位を返すしかない

(賜った領地を放棄するのに、爵位を持ち続けることは許されない)


そして、爵位を返すということは

領地のない下位貴族、平民として持っていたそれまでの権威を

捨てることになる


なぜなら、国を守る貴族として生きる力がない

そんな家だとみなされるからだ


権威、権力とはただ恩恵を受けるものではなく

恩恵を与えることができて初めて持つことが許される


それを理解していない、そんな無責任な家と見なされる



だから、この国では

賢い家は領地を賜ることを固辞するし

真に賢い家は平民のままでいる


それがこの国で生きる上で

一番己の利を追求でき、恩恵を受けるだけでいられる生き方だからだ



古き一族は下位貴族を庇護できるレベルの上位貴族たちを分家に持ち

旨味の少ない家を直接庇護対象として配下に加えることで

この国を守ってくれるありがたい存在だ


だが、長い間にそれは歪められた結果

旨味の少ない家というのはかの侯爵家が一心に庇護下加える形になっていた


かの侯爵家は

領地を考えなしに持ってしまった下位貴族たちにとっての守護者であり

領地を与えるに値しない下位貴族に領地を与えてしまった国の失態を挽回してくれる存在であった



だが、今回のことで

かの侯爵家はほぼすべての配下、分家を切って捨てた


なぜなら、当時、第二王子である弟が学園に在籍していたからだ


多くの家門が薄くとも関わりを持とうと

対象者がいれば、どんなに血が遠くとも養子にし学生とし

対象者がいなければ、課外授業の手伝いや物資提供、寄付など

薄い繋がりでも取ろうとするのは貴族家として当たり前の習い



次代が病状が安定しないため

学園に通わなかったことで、結果、それは苛烈になったといえる


そうでなければ、大公を賜るではなく、公爵とはいえ

一貴族に下ることになる第二王子との伝手にこれほどまでに

貴族たちが執着することはなかったかもしれない



結果、莫大な数、それこそ、国の4分の1に近い家が

庇護を失った


それは国の存続に関わる大きな

そして取り返しのつかない危機となって国を襲った。


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