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虚と現  作者: 沙羅双樹
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王太子_7


曾祖父のせいで

王家は荒れ、後宮は争いが絶えなかったが

曾祖父はそれすら愉しんでいたという


そんな曾祖父のせいで、外戚である貴族たちが跋扈し

特に、一部の古き一族の力が強くなりすぎた


そのせいで、王家への口出しを大っぴらに許すはめになり

王家の力は大きく削られた



そんな曾祖父の次代である祖父はある意味、被害者と言える人だった


祖父は幼き頃から、己の母方の古き一族に言われるままに育った


それは洗脳でもあり、生存競争でもあった


祖父は思考を捨て、ただ、己の生命と現状維持のみに生きた人だった



曾祖父のようなカリスマはなかったし

女性を好んではいなかったようだが、十数人の妃を()()()()()()娶った

そして、決められた妃との間に9人の王子、王女を作った


祖父は淡々と、ある意味、唯唯諾諾と

貴族たちの言うがままに、政治も在り方もその命さえも生きた


王家として、祖父の唯一の功績と認められることがあるのは

法玉を()()()()()()()()


法玉とはすなわち、領地であり

領地とはすなわち、力だ


祖父は己の力が弱い事を理由に

一切、法玉を作り出さなかった


それがきっと、祖父に出来た唯一の抵抗であり

唯一、「王家の護り手」の称号に恥じないであり得た行為だった。

ちなみに

護法玉について知っているものは誓約を立てる決まりで

万が一にもその存在を第三者に明かすことはできない


また、誓約を立てないものが

護法玉のある間に入ろうとすると、入った瞬間、灰になって死ぬ


初代が契約した精霊がその空間を護っていると言われている

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