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虚と現  作者: 沙羅双樹
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第二王子_10


順調に回っているように見えた歯車が

僅かな異音を出すようになったのは、いつ頃だろうか?


でも、彼が異音に気づいたのは

聖騎士を輩出している家系の子爵次男と

光魔法を授かって、男爵家に引き取られた元庶民の女子が

子爵次男の婚約者と騒動を起こしたことがきっかけだ



光魔法というのは特別だ

光魔法は多くの神官が持つ魔法の一つで

癒しや浄化に優れている


だが、光魔法が特別視されるのは

光魔法を持つ者の中で、極稀にだが

聖魔法を発言する者が現れるからだ


元々、上位スキルというのは

狙って発現できるものの方が少ないが

熟練度を上げていくのが基本とされる


だが、聖魔法を発現できるか否かは

熟練度や魔力量では測れない



その上、光魔法は

血で受け継ぐことができないスキルの一つで

例え、庶民だろうが光魔法を授かった者は

保護の意味もあり、この国では貴族に確実に引き取られる


そんな光魔法を授かった男爵令嬢が初等科に入学したのは

彼が中等科2年に上がる時だった


もちろん、光魔法を授かった男爵令嬢が入学することは

彼や高位貴族の者たちは皆、知っていただろう


知っているべき事柄だからだ


だが、彼もそして、彼の学友である高位貴族たちも

男爵令嬢に関わる必要性は感じていなかった


聖魔法を発現し、聖女になりうる存在とはいえ

光魔法を授かる者はこの国では

少なくとも、数年に一人は現れるため

それほど重要度の高い人物ではないこと


また、男爵令嬢の魔力量が少ないこともあるが

彼らが一様に婚約者を持ち、

光魔法保持者の庇護者として相応しくないからだ


だから、入学は知っていても、意識はしてなかった



でも、聖騎士家系である子爵次男は違ったのかもしれない


子爵次男は彼の学友の末端ではあるが

少しだけ問題のある人物のため、それほど交友が深くもなかった


でも、彼は子爵次男を排除しようと思ったことはない


そこには子爵次男への憐れみもあったと思う。


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