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虚と現  作者: 沙羅双樹
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第二王子_9


同級生に一人だけ、一応、彼の学友ではあるが

ほとんど交流がない、そんな特異な存在がいた


最後の一角となってしまった守護騎士を務める侯爵家


その嫡男である侯爵令息だ



侯爵令息は同い年のため、彼の学友に選ばれていたが

10を過ぎた頃から家の事情のため、と

交流会も勉強会も辞退し、姿を見なくなった


それを不敬と憤る者が学友にも側近にもいた


だが、そんな彼らを第一王子が諭した


守護騎士を務める家系には特殊な家業があり

また、今の守護騎士は現侯爵家当主だが

きっと、次代の侯爵令息も10を過ぎたなら

補佐役をしているはずだ、と

そして、それは大変な役目なのだ、と

何より、彼が家の事情で降りたというなら

それを責めるのは間違っている、と


第一王子にそう諫められた彼らは反省し

侯爵令息を悪く言うことはなくなったが

それでも、やはり、侯爵令息とは距離ができた



彼はその時に第一王子に

大変な役目を担ってくれる侯爵令息をなるべく大事にしなさい、と

言われていたので

学園に入ったら、なるべく仲良くしようと思った


でも、できなかった


別に意地悪する者がいたわけでも

彼が努力しなかったわけでもない


ただ、侯爵令息は入学試験で初等科をスキップすると

中等科の一年の期末試験で中等科2年だけでなく、

高等科までスキップしてしまったのだ


(ちなみに、

入学試験で中等科や高等科をスキップすることはできず

また、スキップできるのは学年最後の期末試験のみだ)



はっきり言って、そんなのは前代未聞らしい


確かに、中等科の問題なら

英才教育を受けて育った高位貴族ならスキップできる


そのため、

中等科2年をスキップする者は今までもいたらしい


だが、高等科1,2年まで纏めてスキップする者は

建国以来、誰一人成しえていないことだったらしい



そんな風に学園生活を省略するほど忙しいのかと思えば

入らないでも卒業できる研究科に

侯爵令息は在籍し、薬の研究をしているのだとか


疑問で一杯だったが

昼食で会い、共にと誘えば、来てくれるし

放課後の交流会も中等科一年の時同様、月に一度は顔を出す


他の学友たちのように、親しみを感じる距離ではないが

必要な交流は取れていて、順調だと彼自身は思っていた。


あけましておめでとうございます


今年もよろしくお願いします。

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