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虚と現  作者: 沙羅双樹
22/75

公爵令嬢_6


前世から、彼女は

行き過ぎた家族愛というものが気持ち悪くて仕方がなかった


家族は大事だ

誰かに攻撃されたり、悪口を言われたら

彼女だって、可能な限りやり返すし、絶対に言い返す


でも、だからといって

好意を持ち出した相手がちょっと家族との時間を減らして

自分と会うように言っただけで攻略不可になるなんてふざけてる



比較的簡単に入れるルートの一つだったから

前世の彼女もサクッとやろうと侯爵令息のルートに入った


でも、入って、会話で好感度を貯める段になって

侯爵令息の異常に気付いた


何せ、侯爵令息は侯爵令息の実妹を優先することに抵抗したり

侯爵令息の実妹の事を僅かにでも否定的な態度を示すと

好感度はダダ下がる


なのに、下がらない選択肢を選んでも

好感度が一ミリも上がらない


訳が分からないまま、あっという間に攻略不可(バッドエンド)だった



前世の彼女は頭にきて、態々攻略情報をネットで浚い

でも、時間をかけるのは悔しいから

課金アイテムを使って、さっさとハッピーエンドにした


そして、侯爵令息のルートを最後までプレーしたのは

その一度だけで二度とやることはなかった



課金アイテムは良い


複雑な好感度管理をせずとも

ただ、侯爵令息の実妹を否定さえしなければ

簡単に攻略が進んだ


ただ、そのゲームは課金アイテムを使うと

ハッピーエンドも簡易ハッピーエンドらしく

課金アイテムを一度でも使うと

トゥルーエンドには行きつかないらしい


だけど、そんなのどうでもいい


だって、侯爵令息のハッピーエンドを見たのは意地と

気色の悪いシスコンが落ちたのを見て、嘲笑いたかっただけで

シスコンに興味があった訳じゃない



でも、彼女以外のプレイヤーには

侯爵令息のルートはそこそこ人気があった


婚約者がいないので略奪愛じゃない事と

侯爵令息自身の容姿やスペックのせいだ


何より

トゥルーエンドが素晴らしい、と絶賛するコメントがあった


それを見て

侯爵令息のトゥルーエンドを目指すコアなプレイヤーも結構いて

侯爵令息のルート解説でネットが盛り上がっていたのも知っている


何なら、第二王子の攻略ルートよりよほど盛り上がっていた


でも、ネットを見ようと思わなかったし、

二度とプレーしようと思わなかった


だって、気持ち悪かったから



でも、今世、何の因果か

大好きな第二王子の婚約者(悪役令嬢)に生まれ、考えを改めた


強制力があるかどうかは分からないが

押し付け先(侯爵令息)があるのだ


朧げでも大体覚えているし、

準王族(王子の婚約者)として彼女の権限は広い


課金アイテムの材料も覚えている


そんな彼女にとって

主人公を押し付け先(侯爵令息)に誘導するのは容易い。


誤字報告ありがとうございます。修正しました

気色の悪いシスコンが落ちるた → 気色の悪いシスコンが落ちた


新しいレイアウトに四苦八苦してます…

更新がのびのびですが、よろしくお願いいたします。

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