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虚と現  作者: 沙羅双樹
21/75

公爵令嬢_5


これは今世になって、学んだことだが

守護騎士がおらずとも

聖人たちは聖気を固め、聖物を作ることはできる


でも、そうすると

聖物は守護騎士が纏めた聖物に比べると、長くて3分の2

短いと、半分の期間しか持たない



建国当初、火水土氷闇という物質化できる魔力持ちで

かつ、豊富な魔力と匠な魔力操作を持つ魔法師系と言われる5家が

守護騎士を輩出し、聖物の儀式に立ち会っていた


魔力が伴わない、対象者がいないと次々と各家が辞退を申し出て

守護騎士を輩出しなくなる中

侯爵家は最後の一家となっても、守護騎士を輩出し続けた


侯爵家の持つ氷の魔力は物質化できる中でも

聖物が一番保つと言われ、守護騎士として最上位と言われていた


そのためか、侯爵家はたった一家となった今でも

当主や次期当主自ら、聖物の儀式に立ち合い

守護騎士としての務めを果たし続けてきた



そもそも、守護騎士という立派な名があるものの

聖物は聖人の御業とされるため、

守護騎士たちの成果が表にでることはない


その上、聖物を纏め上げる際、

より長く持つように、全魔力で行うことが求められ

聖物の儀式に立ち会った後、期間こそ様々だが

彼らは一様に体に支障をきたす


なのに、手当もほんのわずかで

権力とは無縁の名誉職でしかない上に

守護騎士になっている間は王都を離れられない



聖物は魔力で随時覆わないと、早く溶けてしまうからだ


事実、王都以外の主要箇所では

光魔法が使える神官たちが毎日祈りを捧げているにも関わらず

聖物は次に運び込まれるまでの期間を残して消えてしまっている



要するに、とても割に合わない役目なのだ


だから、建国当初、守護騎士として名を連ねていた各家は

徐々に、その役目を都合のいい言い訳で降り

氷の侯爵家に押し付けた


愚直な侯爵家は代々、碌に利にならないその役目を勤め続けたのだ


そこは尊敬する



彼女が前世で見向きもしなかった侯爵令息だが

ゲームをしていたプレイヤーたちには一定の人気があった


侯爵令息には婚約者もおらず

とてもハイスペックで、見目もいい


その上、

ルートに入るまでのパラメータ上げもそれほど大変ではない


なんせ、特級クラスに入らずとも、80位以内の上級クラスに入り

薬学一点を挙げ切れば、侯爵令息がいる研究室に入ることができる


そうすれば、攻略ルートに入れるのだ


でも、攻略は難しい(好感度が上がらない)



侯爵令息には地雷とも言える存在、

侯爵令息の実妹の侯爵令嬢がいるからだ


要するに、ドがつくほどのシスコンなのだ


もちろん、

その妹である侯爵令嬢もブラコンなのはいうまでもない。


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