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虚と現  作者: 沙羅双樹
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侯爵令息_8


実妹の額から流れる血を見た瞬間

爆発した怒りに噴出した冷気で辺りが悲鳴に包まれるが

どうでも良かった


令息の魔力は上位貴族の中で多く

王族並みといわれている


そんな令息が魔力を開放すれば

魔力に充てられ、誰も立ち上がれなくなる


そう知っていたが、これ以上何か言って

寄ってくる愚者を排除するのに丁度いいとばかりに

意識的に魔力で一帯を制圧した



そして、令息はもう振り向くこともせず

令息の魔力に馴染んでいてその場で動ける乳兄弟や護衛を連れ

家に帰った



葬儀での事で無能()が何かを言ってきたが

暴漢が出たので、身の安全を図っただけだと

もし、抗議するなら、裁定に出ると言い捨てた


裁定は王と神官長の元で行われ

罪の所在を明らかにすることになる


もちろん、言いがかりとも言えることで

6つになる実妹を殴りつけた暴漢(祖父)に問題がある


令息は謂われない攻撃を受けたため

身の安全のため、魔力で牽制し、暴漢たちから逃れたに過ぎない


令息が罪に問われるわけがない



そもそも、一度も会ったことがない上

気にもかけてこなかった癖に、

今更、葬儀に出ろと筋違いな要求を突き付けた上に

仕方なく、立ち会った実妹が祖母の死を悼まないという

理不尽な言いがかりをつけるだけでも許しがたいのに

暴力まで振るうなど、信じられない



あの後、ようやく周りに怯えなくなった実妹が

また令息と乳兄弟以外に怯えるようになり

令息もだが、令息の使用人たちも怒り心頭だった


ようやく問診できるようになった医者も無理で

仕方なく、令息の中級ポーションで実妹のけがを治した


上級ポーションは作れるようにはなったが

令息の製薬スキルでは数十回に1回くらいしか成功しない上

上級ポーションの材料は豊富にはない


そのため、心配だったが

仕方なく中級ポーションで治したのだ


そのことも後々に続く令息の後悔になる



恥知らず(実母)の家に絶縁状を叩きつけ

一切の交流を断った令息を無能()が止めたが無視したし

今更、家に訪ねてきた恥知らず(実母)には

絶縁を理由に面会を拒絶した


事の次第は絶縁状を発行してもらった貴族院に報告してあり

担当してくれた貴族院の事務官からも

妥当な判断だと認めてもらっている。


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