初戦
やっと二話が出来ました!
前アカでもあったのですが,バックアップが消滅してやる気が無くなると言う世紀の大事件がまた起こりました。
前アカなのでこれもある意味,覆轍と言えるのでしょうか?(正直どうでも良い)
誤字・脱字があれば是非教えて下され!
私が目覚めた時には,辺りの風景は変わりきっていた。
草花は地に生い茂り,周りを蝶が舞っている。
幻想的なまでの風景に眼を奪われつつも,当面の目的は忘れない。
だがここで一つの疑問が浮上する。
『何故ここまで平和な風景が保たれているのか』
理由は幾つか考えられる。
一:既に何らかの外的要因 (他星人の生物兵器も含む)によりこの星の全ての文明が滅ぼされ,現在進行形で自然が回復している
二:この星の原生知的生命体が他星人の生物兵器を撃退した。
三:単純に転移する星,世界が間違えられた。
etc.etc.
少なくとも二の可能性は低いと見て良いだろう。そうでなくては私が来た意味が無くなってしまうという逆説的な理由になってしまうが。
自分の存在意義について考え出したところで,遠くへ視線を遣る。すると,中世ヨーロッパの王城とその城下町のようなものが見えた。
この星の原生知的生命体とみて間違い無いだろう。
だが,あまりにも小さ過ぎる。
恐らく地球の人類と同じ程だ。
だとすると,まずいな…地球では海に隠れる事で誤魔化していたが,周囲三万キロメートル内に私の姿を隠せられる程の深さ,広さがある川や海等は無い。
非常に厄介な地形だな…
「グ…ウォォォオォォォオ!」
突然の咆哮。
地面が崩れる音とともに何かが現れる。
叫び声の方向に視線を遣ると,案の定。そこには『地底侵略用掘削土龍モグドリラー』がいた。
モグドリラーはモグラとドリルを組み合わせて作られた生物兵器で,主に地下から接近し地上を制圧する事を前提としている。
モグドリラーは緩徐に。しかし確実に王城へと向かって行く。
王城の人々もそれを察知し,或る者は建物へ逃げ惑い,或る者は武器を取りモグドリラーへと走る。
運悪くモグドリラーの近くに居た者共は,まるで神でも見るかのような眼を向け,城下町へと走って行く。
眼を凝らすと,少年が居た。
逃げ遅れたのだろう。腰を抜かし,震えながら最後の時を噛み締めるように泣いていた。
間に合わない。
分かりきった事ではある。しかし,体が勝手に動いていた。
気が付いた時には重力を操作し空を飛び,モグドリラーへと飛び翔けって行っていた。
「頼む…間に合ってくれよ…!」
その声は,誰の耳にも届かずに消えた。
♦︎♦︎♦︎♦︎
俺はクロス・タチサ十五歳。
王国騎士・魔道士育成学園への入学を控えている。
自身のやる気のなさは自負していて正直不安だったが,学園の入学試験を何とか突破する事が出来た。
しかし…
「グ… ウォォォオォォォオ!」
突然,謎の奇声とも呼べる叫び声が聞こえて来た。
声の反響する位置から考えるに,この城下町に向かって来ていると考えて間違い無いだろう。
いつもの自分なら,急いで緊急避難所へと走っていたはずだ。
だが,見えてしまったのだ。
見るも恐ろしい謎の化け物を前に,震えて怯えきってしまっている子供の姿が。
クロスは走った,ただ我武者羅に。
「頼む…間に合ってくれよ…!」
アルストロと同時に,その声は現れた。
♦︎♦︎♦︎♦︎
もう少しだ…もう少しで…!
「グォォォオ!」
モグドリラーは顔のドリルを触手のように伸ばし,少年を刺す___
正確に言うと,刺し損ねた。
突如間に割って入った青年により,少年は一命を取り留めた。
だが,当然だが代わりに青年は刺された。
「…」
初めに頭に浮かんだのは,驚愕。
やはりどこの世界にも自己犠牲の精神はあるのだと,今一度自分に語りかけている気がした。
そして,彼の事を知りたくなってしまった
分かっている。星の掟は嫌と言うほど理解している。
だが,だとしても,私は彼について知りたいのだ。
既に,私は彼と融合をし終えていた。
♦︎♦︎♦︎♦︎
土煙が舞い降りた後,その姿は現れた。
姿こそヒトと大差ないが,相違点は幾つもある。
まず,特筆すべきはその見た目。
白を基調に真紅のラインが幾何学的な模様を描いている。
眼球はヒトと同じく二つだが,黄色く斜めの楕円状になっている。
以上が見た目の違いだ。
目に見えない違いとしては,体の構成物質。
原子番号三百三十一番『アエラス331』
空間上に一定の割合で存在する物質だ。
これにより私の身体は形作られている。
「グォ!?」
突然現れた巨人にモグドリラーは戸惑うものの,すぐに標的を私に切り替える。
どうやら子供はもう城下町へと避難したようだ。
「グォォォ!!」
モグドリラーはドリルを畝らせ上下に叩き付けるが,タイミング良く右に避けてそれを躱した。
今度はドリルを直線上に伸ばし私を山に串刺しにしようとするが,難無くそれを避ける。
「シャァッ!」
声と共に上空へと翔ぶ。
「ハァッ!」
蒼空から思い切り,跳び蹴りを喰らわした。
「グ…ガッガガガァァァァ!」
断末魔とも捉えられる,血を吐くような絶叫をあげながら私に襲い掛かる。
「ハァ…ッ」
息を吸い,念を込める。
両手をX字に交差させる。
「デヤァーーッ!!」
アエラス光線。
体内のアエラスを収束させ,一気に放出させる,言わば必殺技だ。
アエラス光線の跳弾が辺りを焦がす。
モグドリラーは声一つあげることすら出来ずに,息絶えた。
え?ギガントマン要素無いって?
まぁまぁ落ち着き給え。
あと数話…数十話程読めば分かる。
チャットGPTって凄いよね(唐突)
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